第2話 長州藩閥への回帰

岡山県主催の中国地方知事会が開催される前に、山口県萩市にある萩城を見上げている一人の女性がいた

その女性は、道行く人が振り返って二度見するような美貌と、透き通った蒼い髪を持ち、煌めくサファイアのようなの蒼い瞳のスラっとした長身の美人だった

彼女こそ、山口県議会の山口県民党という国粋主義政党の党首である霍青娥である

青娥は、暫く萩城を眺めていたが、

「時は来た

四十七都道府県が独立した今こそ、長州藩を復古しよう」

とポツリと呟いた後、その場を去った

そこから、青娥は、精力的に街頭演説や県民との会談などで支持を広げていき、中国地方知事会で村岡知事の支持率が伸びている中でも、検疫強化と災害対策で「何故、我々の財産を鳥取県と島根県に明け渡さなくてはいけないのか?」と叫び続けると、徐々に、そして、加速度的に、彼女に賛同し支持する者が増えていった

村岡も、積極的に、中国地方や瀬戸内海、更には、九州との外交を進めていき対抗したが、皮肉にも、東京一極化是正宣言が山口県民の県民としての民族主義を芽生えさせ、1937年1月14日に山口県議会を取り囲む山口県民の声が、微かに、それでいて、確実に聞こえている中、県議会の投票により県議会が解散され、県民投票の末、青娥の山口県民党が過半数を獲得し、県名を旧国名である周防を用いて周防山口県とした

これにより、県内では、青娥に対する期待の声で溢れた

しかし、前の県知事となった村岡が周辺地域への関係改善を行っていただけに、周辺地域の緊張度は高まっていったが、県民投票での結果とのこともあり、あまり表立って圧力や非難はされなかった

それどころか、広島県も周防山口県の国粋主義拡大の空気に中てられたのか、県民投票により、こちらも国粋主義政権となり国名を広島東洋鯉帝国と名を変え、一気に、中国地方の緊張度が高まるのであった

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復古!!長州藩閥 西野園綾音 @nishinosonoayane

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