作者の意図しない悪魔的な偶然で爆誕展開してる不思議作品の妙を楽しめ

【注:59話まで読んだ】…これはわたしの邪推だが、作者はよくあるテンプレものの「モブキャラ転生成り上がり+無双+ざまあ」を書きたかったんだと思う。
 ところが「ざまぁ」するために作ったsageキャラの境遇のほうが悲劇過ぎ、なおかつ主人公(+ヒロイン)がどう考えてもゲスというか精神異常者で一ミリたりとも共感感情移入できない偽善者造形。
 59話段階までの読者コメントも、倒されるべきは主人公で「ざまぁ」で成り上がるべきはsageキャラの方だろ…という声が大勢という奇っ怪な構造で進行中。
 良かれ悪かれ「俺TUEEEE!=周り弱EEEEEE!」展開で主人公が駆け抜ける爽快感がなろう転生モノの基礎フレームワークなんだけど、この作品はその今までの既存構造をぶち壊してる。
 ただただ、偽善的精神異常な主人公に対する胸糞の悪さを踏み台に、本来ヤラれ役のsageキャラがどうなってしまうのか?でハラハラドキドキしながら読み進めてしまうという不思議展開。胸を張って言える。この作品は新しい。
 ただし、作者がそれを計算制御しきれているとは思えないのでそこが心配。
これを制御しきって書き切ることができれば、間違いなくなろう転生モノに革命を起こせると思う。エポックメイキング足り得る。
 良くも悪くも目が離せない作品。

その他のおすすめレビュー

@sasayokumirouさんの他のおすすめレビュー95