夏の風物詩、だけど怖くない幽霊さん。
- ★★★ Excellent!!!
主人公のところに突如現れた約百五十年前に死んだ男の幽霊……。そんなに長く現世にいるとは、それなりに思い残す事や恨みつらみがあるのかと思いきや、なんだかとってもこざっぱりしており。
移り変わる時代を見続けつつも、誰ともやり取りできずに今日まで来てしまった彼は、己を視認し会話が出来る主人公の存在に大喜びで、憑りつく……というかまとわりつくというか?
現代社会に対する疑問をあれやこれやと主人公に質問責めしつつ、壁にささったり天井にささったりコミカルにさえ見える行動のイケメン(?)幽霊が、主人公と延々と漫才状態になるお話。
こんな幽霊なら一家に一人いてくれても? と思うほどに愛着の沸く存在で、とにかく主人公とのやり取りが軽妙で楽しいです。
お題でお話がまとまっているので、一話ずつ読んでも一気読みしても楽しめる構成で、明るい日常系のお話が好きな人におすすめの作品。