字下げどうする?
須賀マサキ
第1話 字下げどうする?
web小説界で小説を公開するようになり、かなりの期間が経った古株の著者です。
最近とても気になることがあるので、みなさんの意見を聞いてみたいと思い、この文章を書くことにしました。
タイトルにもあるように、テーマはズバリ「字下げ」についてです。
web小説を読もうとしてアクセスしてみると、字下げをしていないものに出会うことが多くなりました。
昔は下げていない作品には「段落の最初は字下げをするのが普通だよ」というアドバイスの入ることが多々ありました。
それが最近は、アドバイスを入れるにも数が多すぎて、スルーされているようです。
その前に「字下げって何?」という方もいると思いますので、wiki(https://ja.wikipedia.org/wiki/字下げ)から引用します。
***
行頭に空白を設けて文字開始位置を他行よりも下がった位置から始めた文字組み
***
具体的には下の文章を見ていただければ分かるように、段落の最初の一文字をさげるような書き方です。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
字下げのある書き方
聖夜は真っ赤になって
こういうことを平気で口にする父親に、聖夜はいつも戸惑ってしまう。思春期の息子によく刺激的なことが言えるものだ。
「無理に止めても反発するだけだろ。それくらいだったらちゃんとした知識をだな……」
「もういいよ、解ったから。夕飯を済ませたら、ぼくはでかけるからね」
笑いをこらえている月島を無視して、聖夜は仏頂面で食事を続けた。
字下げのない書き方
聖夜は真っ赤になって
こういうことを平気で口にする父親に、聖夜はいつも戸惑ってしまう。思春期の息子によく刺激的なことが言えるものだ。
「無理に止めても反発するだけだろ。それくらいだったらちゃんとした知識をだな……」
「もういいよ、解ったから。夕飯を済ませたら、ぼくはでかけるからね」
笑いをこらえている月島を無視して、聖夜は仏頂面で食事を続けた。
☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆
自作小説『黄昏の少年』を例に、字下げのあるものとないものを載せてみました。
ただ一つ注意点がありまして、会話文("「"で始まるもの)は字下げをしないという習慣があります。
とはいうものの、古い角川文庫を読んでいると会話文でも字下げをしているので、間違いとは言い切れないと思います。ちなみに最近の角川文庫では字下げをしていません。
昔は割と指摘されていたものが、どうして最近は指摘されなくなったのだろう、と考えてみました。
で思いついたのが、PCではなくスマートフォンやタブレットで小説を書く人が増えたから、ということです。
デジタル・ネイティブ世代は物心ついたときからスマートフォンがあり、それを使ってインターネットをはじめとするデジタルに触れるようになりました。
おかげで大学生でもPCを使えない人がいると聞き、驚いたことがあります。
昔は小説を書くのにPCを使うのが普通でした。
でも今はスマホを使って書く人が増え、その結果、字下げをしない人が多くなり、指摘する人がいなくなったのだと思います。
個人的には、字下げされていない小説は読みにくいな、という印象を受けます。内容が面白くても、読む前にブラバしてしまうことも多くあります。
もっともここに挙げた「字下げに対する考え」は老害の意見で、将来的には「どっちでもいいよ」となるかもしれませんね。
……と思っていたところに、なんと、カクヨムのエディタに便利な機能があることに気づきました。
画面左上の「編集サイドバー」をクリックして、サイドバーを開いてください。「記法と整形」の一番下に「本文を整形」という項目があります。
ここになんと「段落先頭を字下げ」というツールがありました。
ここをクリックすると、エディターが勝手に字下げしてくれます。
私も試しにクリックしたところ、「字下げのない書き方」で例に挙げた部分が、「字下げのある書き方」と全く同じ表記になりました。
字下げをされていない小説が増え、それをよしとする人も増える中、カクヨムのエディタにこういう機能がある意味を考えてみてはどうでしょうか。
最後まで読んでくださってありがとうございました。
もしよかったら、みなさんの字下げに対する考えを聞かせていただけると、嬉しく思います。
字下げどうする? 須賀マサキ @ryokuma00
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