一方的に寄せられる悪意なき執着

『自転車の前かごに、花が入っている』
些細なことと、主人公は2ヶ月もの間放置してしまいます。

誰の仕業か、なんの目的なのか、わからないまま塾に行くたびに入れられる花。

警戒してしばらく塾から離れた主人公を次なる恐怖が襲います。

クライマックスの鬼気迫る描写に、身の毛がよだちました。

たとえ好意であったとしても、一方的なすりつけられる感情は恐怖でしかないことをまざまざと見せつけられます。

相手を思いやる心をもち、コミュニケーションをとることが大切だと思い知らされる作品です。