おやすみ前のお戯れ

 ご主人様、どうぞわたしの膝の上にお頭を乗せてください。……どうかしましたか? そんな疑問を抱いた顔を浮かべて。


 ……理由はもちろん、お耳が綺麗になったか再チェックするためです。


 ……確かに、先ほどのお風呂で綺麗にし終えましたけど、もっと奥の方の汚れを掃除したくはありませんか?


 ……そんなこと言わずに、どうかわたしに耳かきでお耳を掃除させていただけませんか?


 ……ふふ。ありがとうございます。ご主人様なら快諾してくれると信じていました。さぁ、そうと決まれば早速わたしの膝の上に頭を乗せてくれませんか? ……あっ、上を向いたまま乗せないでください。お耳が見えるように、横を向いてくださいね。……そうです。ご主人様ありがとうございます。では、入れていきますね? なにかあったらすぐに声に出してくださいね。


『ふぉごっ、ふぉごっ』


 どうですか? 気持ちいいでしょうか?


『ふぉごっ、ふぉごっ』


 あっ、お答えしなくても大丈夫です。ご主人様の安らかな顔を見れば、今どういったお気持ちを抱いているのかは容易に察することができます。ふふ。では、今の調子で耳かきを続けさせていただきますね。


『ふぁごっ、ふぁごっ』


 はい、片方の耳はお綺麗になりましたよ。まぁ、先ほどわたしがお風呂場でご主人様のお耳を綺麗にしているので、あまり変化はないかもしれませんが。ふふ。それでは、ご主人様もう片方のお耳をお掃除していきたいので、お顔の向きを反対にしますね? 失礼します。


『にゅい、ぽふっ』


 無事にもう片方の耳をお掃除できる準備が整いました。ご主人様、ご協力ありがとうございました。それでは、いきますね。


『ふぁごっ、ふぁごっ』


 ふふ。やはり反対側のお耳もわたしのお風呂場での成果でとってもお綺麗ですね。ですが、ご主人様を気持ちよくさせるご奉仕のために、もうしばらくお掃除を続けさせてください。お願いします。


『ふぁごっ、ふぁごっ』


 はいっ、綺麗にできましたよ。これでどちらのお耳も舐めても問題が無い状態になりました。……ご主人様? 耳を押さえちゃってどうかしましたか? まさかわたしがご主人様のお耳をなめると思いましたか? ふふ。そんなはしたないことはしませんよ? ですが、ご主人様がお耳をなめて欲しいとお願いするのであれば、わたしは躊躇なく舐めさせてもらいます。


 ……いえいえ、そんなイヤだなんて思っておりませんよ? なぜならわたし自身でご主人様のお耳を綺麗にしたので、ためらう要素が無いですよ。ふふ。……さて、ご主人様。お耳の方が終わったということで、もう一つご奉仕のサービスの提案があります。よろしかったら聞いていただけますでしょうか?


 ……身構えなくても大丈夫ですよ。そんな変な事ではないですので。ご主人様はわたしと出会った時から、これが気になっていましたよね?


『ふりっふりっ、ふぁさっふぁさっ』


 ……ふふ。そんな慌てなくても大丈夫ですよ? ご主人様、本当にわたしの尻尾がお気に入りなんですね? それならば、尚のこと聞いてもらいたいです。あのですね、わたしの尻尾でご主人様のお顔を撫でまわしてあげたいと思っているのですが、いかがでしょうか? もちろん、わたしはイヤではありませんので、ご安心ください。もしもイヤだったならば、自分からこんなことを提案しませんので。


 ……はい、わかりました。ふふ。そんなキラキラと嬉しそうな顔をして、ご主人様、もふもふしたかったのですね。


 ……全然そんなことありませんよ。気にする必要ありません。ご主人様のような方に喜んでもらうためにわたしたちは派遣されているのですから。これもサービスですよ。ふふ。さぁ、ご主人様。準備が整いましたら、お顔をこちらに向けてください。わたしは背中を向けるために体を反転させますので。


 ……はい、よろしいですね? では、いきますよ? どうぞ、わたしの尻尾を堪能してください。


『ふぁもさっ、ふぁもさっ』

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