第6話

「クソ真竜ドラゴンがよぉ…しつこく追って来やがって…そんなに目を傷つけられたのが嫌だったか?」

「グルルァァァァ!!」


「でも元はと言えばお前が俺の事を襲ったのが悪いんじゃねーか!」

「グルァァ!!」


…ふぅ、愚痴も吐き出したし、戦うか


「死ねぇ!」


ガァン!


相変わらず硬てぇ!

素手じゃダメージ与えられる気がしねぇ!


「グルァ!」


そんで早い!

もう俺の腕持ってかれたよ!


まぁ、取り返して繋げば再生するし…!?

俺の腕生えてきたんだけど!?


しかも生えてきた腕も真っ黒になってるし!

これ再生した所が黒くなるのか!?


予想してたけど腕まで完全に生えてくるのは予想外だし、あの腕はどうなるんだよ…


ほら、真竜ドラゴンも驚いてるし!やっぱりこの再生力は流石におかしいだろ!


「グ、グルァ!」


うわぁ!また腕もがれたよ!

でもまた生えてきた…


「グルァ!?グルァ!」


また腕をもがれ…


「ええい、それはもういい!」


同じ事を繰り返すな同じ事を!

ぶん殴るぞ!


ゴォン!!


真竜ドラゴンの鱗が凹んだ!?

えっ、鋼鉄より硬いあの真竜ドラゴンの鱗が!?


…これもしかして目とかを狙わなくても勝てる?

マジかよ、めっちゃ強くなってるじゃん…


ーーー


「つ、疲れた…」


体から伸びる黒い触手で真竜ドラゴンを引き寄せ、首を切り落とし持ち上げる


「これと…あとまだ残ってるか分からないけど亜竜ワイバーンの死体も回収しないとな」


にしても体から黒い触手が生えてきたり

体が遂に真竜ドラゴンの牙すら通さなくなったり


この一戦で相当人間離れしちゃったなぁ…

まぁ皮膚の色をちゃんと戻せるようになったり悪いことばかりじゃ無かったんだけど…


でも死にかけたし完全に人間ではなくなっちゃったし悪い事も多いんだよ…


…よし、現実を見よう丸一日放置した亜竜ワイバーンとどこかも分からない現在地


絶望的だな!


「…帰ろ」


でもどうやって?

…適当に歩いてれば街につくからとにかく歩くか?


特に今の俺の身体能力なら街から街まで歩いても何ら問題は無いしな


…でもキツいし面倒くせぇ!

畜生なんで真竜ドラゴンなんて出て来たんだよ!


ーーー


「帰りました…」

「遅かったじゃないか、どうしたんだ?」


亜竜ワイバーンの死体はそっちで確認して下さい、真竜ドラゴンのせいで死体を回収できませんでした」

真竜ドラゴン!?真竜ドラゴンはどうなったんだ!?」


「殺しました、外に首があります、なので報酬を下さい、早く宿で休ませて下さい…」

「え、あ、おう…」


「あーっ!レオンさん!帰って来てたんですね!」

「あっ、はい、帰って来てたのでちょっと休ませてくれません?」


「?どうしたんですか?亜竜ワイバーン討伐そんなに大変だったんですか?」

「いや、色々あって真竜ドラゴンと戦ったから…」


「!?それは大変です!今すぐ休んで下さい!」

「分かったのでそこを少し退いて…」


「問答無用!」


!?なにを…

あ、眠っ!?めっちゃ眠い!


ここで寝るのはマズい!ここで寝るのはマズい!

でもこの疲れ切った体じゃ耐えられないわ…


おやすみなさい…

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ゾンビから逃げる囮にされた荷物持ち、ゾンビに噛まれて覚醒する 龍百 @ryu_100

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