第5話

真竜ドラゴンにつけられた傷が真っ黒になってる…

しかも黒い所めちゃくちゃ硬いんだけど…


あと心なしか身体能力も強くなってる気が…


…まぁそれはどうでもいい

問題はあの失った血と何故か再生した上に強化され出る皮膚だ


失った血をどこから補給したのか

…まぁこれは強化の一部として血液を造る能力も強化されてるだけかもしれない


しかし一番の問題はあの皮膚だ

最初、再生能力にあんな効果は無かった


矢を抜いた時や噛み傷の再生も普通だった

しかし今回の再生では明らかに傷を負った部分が強化されている


これはゾンビに噛まれる前と後で俺の強化の内容が変わっていると言うこと


つまり俺が言いたいことは…


これ、ゾンビ由来の力なんじゃね?

ってことだ


いや、予想はしてた、だってゾンビに噛まれてからこの力に目覚めたんだからな


だがまさかもう一度ゾンビに噛まれると言う形でこの予想が裏付けられるとはなぁ…


だがこの問題の最も恐ろしい所は俺がいつゾンビになるか分からないと言う事だ


俺がゾンビにならない理由が分からない以上、俺は偶然ゾンビになっていないだけという線も捨てきれないのだ


「クッソ不安だなぁ…」


しかも真竜ドラゴンも恐らくまだ俺のことを探してるだろうし問題が多いんだよ…


でも俺のゾンビ化問題は暫くは大丈夫だろうけど真竜ドラゴンの方はいつ見つかるか分からないからな…


とりあえず真竜ドラゴンの方から対処していくか

…つっても勝てなかったし逃げられないし、会わないようにするくらいしか対策なくない?


…いや、この強化の具合によっては勝てるか?

痛みを何故か感じ辛くなってるし見つかったらそれもアリかもな


まぁ、とにかく今後の目標は決まったな

なぜ俺がゾンビにならないのか、なぜゾンビ程度の魔物の力でここまで強くなれるのか


この二つを知ることを目的にSランクとしてぶらぶらするか!


「でもここどこだよ」


必死で逃げて来たからどこに向かって歩けば帰れるのか分からんぞ


それにここよく見ると森だから方向感覚もめちゃくちゃだし


かといって木の上に登ると真竜ドラゴンに見つかるし…


もう目的の亜竜ワイバーンは倒したんだから真竜ドラゴンとも戦わずに戻るのが一番なんだがなぁ…


まぁ、とりあえずこの森を抜けよう

まずはそこからだ


ーーー


「は?」


なんで真竜ドラゴンさん森の前で出待ちしてるの?

どうしても俺を殺したいの?


確かにお前の目は潰したけど真竜ドラゴンの目とか一瞬で治るじゃん!ってか治ってるじゃん!


「グルルァァァァ!!!」


うわぁ!見つかった!…でもここで森方面に逃げたらまた出待ちされるからな…しょうがない、戦うか

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