魔女と令嬢、猫を殺す花

　ひょんなことから知り合った魔女と深窓の令嬢が、互いに惹かれ合い仲を深めてゆくお話。

　ファンタジーの世界を舞台にしたガールズラブ（百合）です。
　少女同士の恋愛感情を前提にした物語。

　ある種の王道感というか、いろんなものの直球っぷりがとにかく素敵。
　ファンタジーらしい舞台設定といい、彼女たちが徐々に親しくなってゆく様子といい、奇をてらわないストレートさがとても印象的です。

　ネタバレになるので詳しくは触れませんが、最後、物語の結末が好きです。
　物語としての安定感というか、何か安心感のようなものを感じる作品でした。

魔女と令嬢のお話。
異文化の二人、健気ながら強い少女、王子様役……と、百合作品として最高なポイントを押さえているお話でした。

また、敵のような存在もありハラハラがあるのですが、それがこの形であるところも好きです。
終盤はとてもテンションが上がりました。あの場面でのお父様もよかったです…。

この前日譚のお話も書いてらっしゃいます。（https://kakuyomu.jp/works/16817139557905721497）
私は前日譚を先に読んだのですが、キャラの成長を感じられて、ぐっと来たので、オススメです。