第1部のあらすじ

【1章 月と金星と魔王降臨】

 天涯孤独の高校生宇宙こすも大地だいちと、彼を慕うハイスペック未来人小学生の天野あまの夕星ゆうづ(=夕)は、異世界で幼い妖精ルナと出会う。そこへ現れたクラスメイト一色いっしき夏恋なこ(異世界では魔王カレン)から、世界の核であるルナを満足させれば元の世界へ戻れると聞いた彼らは、彼女の希望である「三人で仲良く冒険」の旅へ出ることとなった。


【2章 月と金星と森林探索】

 冒険に出た彼らは、森を抜ける途中で凶悪な骸骨人間に遭遇する。囮となった大地の奮闘で一時的な無力化に成功し、夕の機転でスタート地点へと命からがら逃げ帰った。


【3章 月と金星と魔法講座】

 意気消沈する彼らの元へカレンから魔法のビデオ通話が入り、イメージ可能かつ魔力リソースの範囲内であらゆる願いを叶えられる魔法――星の魔法ステラマジカを使えると聞かされる。お節介魔王のオンライン魔法講座により大地はコツを掴めたので、魔力効率の観点から、物理的には不死身なルナを速度増加させて戦う方針となる。一方で物理学者の夕は物理法則を無視した魔法をイメージできず行使に失敗するが、感情操作の魔法ならば可能であると分かり、大地へのウルトラヘビーな愛をもって彼を元気にする万能魔法を習得した。


【4章 月と金星と悪友参上】

 森を進む大地達は骸骨人間と再び遭遇し、ちょうど戦闘中の剣士からの助力要請を受け、三人の魔法を巧みに組み合わせた連携技によりリベンジを果たす。その剣士はお調子者のクラスメイト天馬てんま靖之やすゆき(ヤッス)であり、先に異世界へ来ていた彼と情報交換したところ、彼との合流もカレンのお節介差し金であると分かった。


【5章 月と金星と文無一行】

 森を抜けて王都ギャラックまで辿り着いた大地達だったが、通行に必須の住民札を持たない大地と夕は、門番ホリンから発行料として一枚三十万円相当を要求される。そこへ胡散臭い行商人クリウスがすり寄って来て、骸骨の戦利品の魔晶石を買い叩かれそうになるが、夕の鋭い洞察力と巧みな商談力により適正価格での売却に成功した。


【6章 月と金星と豪快店主】

 住民札の発行中、ホリンの本職は水槍騎士団長であり、夜間は自宅かつ首都防衛要所の水の大門を寝ながら守る働き者社畜と知る。酒場バッコスへ常連のホリンと向かうと、住み込みで働くヤッスを救ってくれた礼として、偉丈夫の店主バコスから手料理で歓迎された上に泊めてもらえることとなる。閉店後のホリンの帰り際に刺客が現れ、大地がホリンを庇って致死毒を受けるが、夕とルナの星の魔法で一命を取り留めた。その後助けに来た妖艶な土魔騎士団長ルケーから、怪しげな星の魔法について尋問するようホリンは釘を刺されるが、命の恩人を信じて深堀りしないことに決める。


【7章 月と金星と家族風呂】

 大地が宿の樽風呂へ入浴中にルナと夕が強引に入ってきて、ルナと違い中身は大人な夕との混浴に大慌てとなり、さらに入ってきたヤッスから夕を隠すために夕と同じ風呂桶へ入る状況になる。ヤスが去った後、しばらく二人で甘酸っぱい会話を続けるが、途中で夕は色々な意味でのぼせてしまうのだった。


【第8章 月と金星と夜間補講】

 宿泊部屋に戻った大地達へカレンからのビデオ通話が入り、星の魔法に使う未知の魔力リソースは三人が幸せを感じた時――つまり大地と夕がイチャイチャするほど増えると告げられ、二人は恥ずかしさに身悶える。その後突然、夕の体の持ち主である現代の夕(=)に意識が交代してしまうが、大地がゆづと会うと記憶の齟齬から彼女達の命に危険が及ぶため、彼は咄嗟に魔法で夕の姿へ化け、夢だと告げてゆづを眠らせる。カレンと議論した末、この危険な状況にある夕&ゆづを自由にするため、賢者の石を入手してホムンクルスの体へ夕の魂を移すことが目標となった。


【第9章 月と金星と大願成就】

 乙女の味方バコスの粋な計らいにより同じベッドで寝ることになった大地達だが、勝負どころと見た夕が星の魔法で本来の二十歳の姿へ変身した上に、少々刺激的なネグリジェをまとって大地へ迫る。ゆづの問題から夕の想いへまだ応えられないと気持ちを誤魔化していた大地だが、夕の日々の熱烈なアプローチが実ったのか、もはやどうしようもなく夕に惚れているとついに自覚してしまう。そうして月明かりの差す最高のムードの中、二人の顔が徐々に近付くのであった。

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月と金星とステラマジカ ~ヒミツの愛情魔法~ (豪華挿絵付き) 餅餅餅 @mochimochinomochiR

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