人が、竜が、世界が「生きている」

大好きです。
構成が見事とか、文章力があるとか、そんな類いの言葉を並べると、逆に作品を曇らせてしまう。そう感じるくらい、とにかく何から何まで素晴らしいです。あまりにも魅力的すぎて、それを語るための力が自分にはないと、ハッキリそう思います。

それでもあえて感動を文章化するのなら……
ストーリーや登場人物等々が魅力的なのはもちろん、とにかく表現が豊かで美しいです。人物の動きが、心が、広大な自然が、想像力を働かせるまでもなく自分の中に広がります。しかも、くどくどと説明するのではなく、少ない言葉で、スッと入ってくるのです。
読み手は物語を通して砂を踏み、空を見上げ、人物と五感、感情までもを共有し、世界に没入できます。

また、ハイファンタジーなのですが、その世界は「存在している」と思わされるほどに完成されています。そこに息づく暮らし、気候、思想など。すべてがリアルに噛み合っていて、人間、竜、動物、自然、すべての生命が力強く生きているのです。


他の方々のセンス溢れるレビューに、このような拙いレビューが並んでしまって良いものかと悩みました。でも、好きを叫びたい気持ちが勝ってしまいました。
もうとにかく、一人でも多くの方にこの「砂竜使いナージファの養女」を読んでいただきたいです。そして、レビューでは絶対に伝わらない物語の素晴らしさを、文章の美しさを、ぜひ体験していただきたいです。

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