あでやかに咲く一輪の花。その恋の花が残したものは

人の住処に巣を作り、子育てをするツバメ。「ツバメが巣をかける家は栄える」として昔から大切にされてきました。天敵は蛇、カラス、スズメなど。本作でヒナを襲ったのは、野良猫であろうと語られています。その出来事は泥棒猫を示していて、「私」の過去が明らかにされるのでした。

身を焦がすような、狂おしい恋。

2000字以内と思えないほど、読後の余韻が深いです。クロユリの花言葉と元になった物語を知っていれば、この作品をより楽しめるのではないかと思います。読み直す度、世界観の考察が深まるはずです。