第2話 潜濯機
その友人は、近所のコインランドリーを利用しているらしい。
洗濯機を持っていないのかと尋ねると、「あるにはあるんだが」と不可解なことを言う。
家にあるならそれを使えば良いのに、何か使えない理由があるのかと再度尋ねると、「説明するより実際見た方が早い」と言われたので、友人の家にお邪魔することにした。
家で確認したところ、その洗濯機自体は特に変わったところはないように見えた。
ところが異様なことに、蓋を開けられないほどに大量のガムテープがベタベタと貼られていた。友人が貼ったのだと言う。これでは洗濯物を入れることができない。
なぜこんなことをするのか、私がそう聞くと友人は「夜になればわかる」と言うので、泊めてもらうことにした。
その夜、理由がわかった。
捨てないのか、と友人に聞くと、なんとこれは二台目なのだと言う。以前持っていた洗濯機も同じ状態になって手放したが、新しく買ったこの洗濯機もこのようになってしまったのだと言う。今は根本的な解決方法を探している最中とのことだ。
それならばと、私は友人に一つアドバイスをした。ガムテープをもっと増やしたほうがいい。
あれでは、いつかこじ開けられてしまうだろう。
禍電シリーズ 霧沢夜深 @yohuka1999
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