第22話 武漢攻略/ないなら作ればいい!
あれから1か月近く経過した。武漢の攻略依然として
『増援がすべて、
「そんな悠長なこと言ってる暇があったら、補給よこせゴラァ!」
『サプライドローン接近中』
隼人は空中で換装すると、直ぐに
初動はなるべく大きく体を使いビームを避けながら突撃する。
「発射!」
ミサイルポッドを全弾発射。変則的な軌道を描きながら全弾命中した。
つづけて強化型EMPグレネード発射した。これも
「そこ!」
待っていましたとばかりに、隼人はビームを放った。大振りで行き詰まった所にビームは
「・・・」
爆破する直前、切り離しもう片方を展開して襲い掛かった。隼人もそれに対応して、攻撃を避けながも付け入る隙を伺った。
何日も同じ奴を相手にすると、それに合わせて身体が慣れてくるものだ。それも今までの数多の失敗の上に成り立っている。
致命傷になるような攻撃は幾度となく味わった。吹っ飛ばされ、押しつぶされ、焼かれ、それでも立っていた。傍から見れば誰もが死んで疑われないだろう。
過去の戦績から戦術強化兵の生存率は対IA戦において決して高いとは言えない。一度の出撃で生存するのは全体の2割。
レインから見てもこれは異常だった。
隼人がまた吹き飛ばされた。今度は、グレネードの直撃を受けた。
直ぐにシステムによる蘇生が完了し、戦闘が継続される。
スーツの性能面が良いことに思えるがそれも違う。攻守とも高性能なこのベクタースーツにも限界は存在する。現に、
...今ので57回目...
57回目の蘇生。つまり、57回も死んでいるという事だ。
...運がいいのか、それとも必然なのか...
首元に攻撃が命中。
その奥からは次々と
「クソ!今ので何機目だ?」
『308機目です』
残るは14機だ。
隼人は両手でヴァリアブルライフルをガッチリ構えると引き金に指をかけた。
『出力最大.................撃てます』
ビームが
「よし、次だ!」
隼人は両手をロケットランチャーを持ち替えて再度突撃した。
『全機撃破確認、お見事です』
隼人は、よろけた体を膝をついて受け止めた。
「ハァ.....ハァ.....ハァ.....」
『ネクシス1、一度帰投しましょう』
「何言ってんだよ、まだ終わってないだろう」
まだ目の前には無傷の拠点が鎮座している。何もないガラ空きの状態で行かないなどできるはずがない。
『バイタル情報は危険域を示しています。外傷、内傷とも深刻なダメージを検知しています。戦闘続行は危険です』
『行きたい気持ちはわかりますが、拠点に接近すれば何が起こるか分かりません』
実際前回のようなことが起ころうなら、今隼人は確実に死ぬだろう。
『戦術強化兵にとって生存率こそが重要なのです。ですから、』
「分かった、分かった。帰ろ」
レインの言葉を遮るようには隼人は答えた。
戦いで熱くなっていようと心の中では限界であることはわかっていた。湧き出る気持ちを静めるように隼人は深呼吸した。
『了解です。サプライドローンを向かわせます。待機を』
しばらくして、隼人は今まで疑問に思っていたことを口から出した。
「しかし、このままだとまずくないか?」
『まずいですね』
倒しても次へと襲い掛かては倒して倒しま空手時間もかかる。
現状の装備と戦術では時間が余にも掛かっている状態だ。
『現状を打開する手段を模索しなければ、この先さらに困難になります』
隼人は辺りを見回した。
...何かいい打開策はないもんかな~、ん?...
閃いた。多少の疑問点はあるが、解決できるかもしれない代物がちょうど目の前にあった。
もしかしたらと、隼人はレインに問いかける。
「ねぇ、レイン」
『何でしょう』
「あれ使えない?」
レインは指さした先に視線を移す。
そこには倒れていいる
隼人は地図を見ながら船内のあるブロックに向かっていた。 格納庫だ。
本来は研究開発をメインに行われてきた場所であるが今は武器庫のような状態らしい。そこにあれが搬入されたのだ。
ドアにたどり着くと中に入った。
広い空間に、奥まで続く生産ラインが見えた。ここで何を作っていたかは想像しにくいが、今目の前にあるもに隼人は目を光らせた。
「スゲェー」
『早かったですね』
横からの声に振り向くとレインがいた。今度は白衣に身を包み髪を簡単に束ねたいわゆる研究者スタイルだ。眼鏡を指で調整し隼人を見た。
「位置情報で分かってたくせに」
小さくぼやく隼人にレインは視線を前に移した。
「完成は1か月後です」
「もっと、早められない?」
「データ解析と機体の改装等、操縦訓練を見込んだうえでの計算になるので難しいですね」
「そっか」
少しがっかりするが、その分楽しみが増えるのは嬉しかった。
「しっかし、意外だったわ」
隼人は腕を手すりにかけ身を寄せた。
隼人がレインに提示したのはロボットに搭乗して戦うと言う、シンプルなものだった。理由としては生存率の向上と戦闘スタイルの汎用性を大幅に広げるという点にある。
この提案に対してレインは” 面白そうですね ”の一言で即決したのだ。
「そうですか?}
「てっきり断られるかと思ってた」
「私は現状でIAに対し有効的であると判断しただけです」
「でもなんで?」
「前例があります。2095年、当時日本はロボット産業が自動車産業にとって代わり世界トップシェアを保持していました。この時、企業間での共同事業として巨大人型ロボットの開発プロジェクトが発足され数か月には開始されました」
...おいおい、ロマンある話じゃん...
「当初はおよそ10mのロボットを予定していたのですが、技術の進歩により重力制御が可能になりました。大きさは18mまでサイズアップし10年の歳月と多くのテストを乗り越え最終試験にまで進むことができました」
「すごいじゃん!」
「ですが、ここで問題が起きました」
「それは一体?」
「当時、余りにもクオリティーを追求し過ぎたために開発費が高騰して予算オーバーになってしまったのです」
「何やってのぉぉ!」
「開発陣含めプロジェクトリーダ—がかなり熱が入ってたようで、予算オーバーでも開発を続行。見事試験は全てクリアしました。しかし、その影響で一部企業が、経営赤字になりプロジェクトは中止。ロボット本体は、日本の技術力の象徴として展示物になりました。記録によると関係者からは「私たちはやりきった。悔いはない」と満足だったそうですね」
余りにも突っ込みどころが多すぎて何とも言えない。だがロマンの追求は素晴らしいことだと思う。
「現在解析中ですが、
「要望通り行けそう?」
「設計上は問題ありません」
それと、とレインは
「仲間を作りましょう」
「ナカマ?」
「現在の我々の保有戦力では数に勝る
表示からは、ある程度候補があるようだ。防御系、近接系、中距離系など他にも様座なAIがいるようだ。
「必要なAIが決まりましたら、仰ってください」
「分かった。少し考えさせてくれるか?」
「分かりました」
レインは
「じ~~」
説明を終えるとレインは端末で口元を隠し隼人を見つめた。
「ど、どうした?」
「・・・」
...な、何をすればいいんんだ...
相手はAIだ。そんな人間のような態度取られるとどう判断すればいいかわからない。
...とりあえず、褒めればいいのか...
「その服に合ってるよ」
すると、なんとなくだが目が柔らかく歪んだように見えた。
「隼人」
「はい」
「嬉しいです。ですが、もう少し言葉を選びましょう」
「すみません」
厳しめの回答に隼人は何も言えなくなった。
―――――――――――――――――――
<武器紹介>
型式番号N-10 サイクロプス
タイプ 大型人型タイプ
身長 25m
装甲材質 強化型粒子複合装甲
駆動源 量子リアクター
特徴は、反重力エネルギーによって大気圏内外問わず、飛行が可能である。大気の 影響を感じないかのように自由度の高い機動が可能。
武装
ビームライフル
エレクトロライフル
対象法
関節部もしくは、頭部への攻撃が有効的である。もし
エクスマキナ・クライシス 南方カシマ @norikazu
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