第2話⁂凶悪犯の正体!⁂



「タッタスケテクレ————————ッ!」


 麻里亜お嬢様ではない男性の声が?

 この家には通いの爺やが一人居るだけで男性は居ない筈?

 一体誰なのだろうか?


 それでも…このお屋敷ではなく遠くから聞こえて来る声………。


 早速、声の聞こえて来る方向に向かったコナン君。


 すると豪邸の日本庭園に、何とも優美な川のせせらぎの音が聞こえて………ふっと目をやると風流な池が見えて来た。


 よく見ると池に掛かる太鼓橋から妙なものが………?


 ひからびた太いゴボウの様なものがにょっきり二本、そこに干し柿の様なかぼちゃぐらいの大きさのかぼちゃの様な物が乗っかっている。更にはうまい棒がしなびたような物が、真ん中に、それこそ気兼ねそうにゆらゆら動いている。


 するとその時———

「キャ————ッ!タッタスケテクレ————ッ!」


 太いゴボウや干し柿の様なかぼちゃがバタバタ動き出した。

「エエエエ————————ッ!」

 慌てて太鼓橋に向かったコナン。


 すると今まさに爺やが、世界一賢いとも言われるこの家の愛犬、ドーベルマンに追い詰められ、池に真っ逆さまに落ちようとしているではないか?


 一体どういう事?

 

 

 今朝の事である。爺やは地下室のある倉庫に違和感を感じて、早速その倉庫を開けようと必死に作業をしていた。


 そこに愛犬の太郎が駆け込んで来のだが、いつもの忠犬とは真逆で、余りの凶暴さに地下室のドアを開けて一気に外に逃げた。

 いつもだったら爺やにも忠実な太郎なのにどうした事だろう?

 

 この日はどういう訳か余りの凶暴さに、地下室のドアを開けて一気に逃げたのだが、追い詰められて身ぐるみ剝がされたのだった。


 仰向けになってパンツも脱がされて、汚い○○タマとお尻が丸出し。

「オオオッ!キッ汚ッ!」


 目を覆うコナン君。


 こうして捜査員達に協力して貰い何とか爺やを救い上げたのであるが、一体あの地下室には何が隠されているのか?


 何故爺やがあの一室をこじ開けようとしたのか?


 ……どうも爺やが証言するには————

 爺やが外回りの作業をする時の、金属製のコテが無くなっていたからなのだ。


 爺やは非常に手先が器用で、今日も朝から玄関の石畳にヒビが入っているのに気付き、直そうと思い材料倉庫になって居る地下室の倉庫に向かった。


 簡単な道具や庭木の手入れをする材料は、地下室の隅に置いてあるので金属製のコテも隅に置いて有る筈なのだが、無くなっていた。

 

 ひょっとしてうっかり主だった材料と一緒に、材料倉庫に入れたのかも知れない。

 そう思い早速無くなったコテとセメントを取り出そうと、倉庫の前まで行ったのだが、所定の位置に置いてある鍵が亡くなっているではないか?


 こうして地下室で右往左往していると、愛犬の太郎が襲い掛かって来た。


 

 そこで、諸々の事情が分かって来た、いかついハゲ頭の中年刑事、熊谷(別名・クマさん)がこの家の家族に不審感を抱き、声を荒げている。


「奥さん倉庫のキ-が無いって事は、まさかあなた達夫婦が犯人て事も考えられますね?一体これはどういうことですか?」


「ソッそんな~?わたくし達夫婦は麻里亜だけが生き甲斐です。ワァワァ~~ンワァワァ~~ンあんまりです」


「あぁ~!すみません………ついつい……言い過ぎました。それではスペアキーを持ってきてください」


 こうして倉庫に侵入した一同だったが、何の変哲もない倉庫、更に紛失している物もなさそう?

 益々分らなくなって来た。


 それではいつもの忠犬太郎が何故あんなに暴れたのか?

 そこには・・・?


 ◇◆◇


 だが、異様に敏感な鼻を持つコナンは気づいていた。


「クマおじさん、この床の下から何か~?匂うんだけど………」


「あああ———どいた!どいた!そんな事有る訳無いだろう?こんな土間の下に何が有るってんだい。デブちゃんは引っ込んでな!」


「チッ違うってば———ッ!絶対変だって————ッ!」


 こうして捜査は進展しないまま時は過ぎ去った。


「んもう~?コナン様の言う事聞かないと後で後悔するからな————ッ!全くう!」

 ◆◇◆


 麻里亜お嬢様が行方不明になる五日前の事だ。

 この大富豪の豪邸では、何ともめでたい話に笑顔で顔がほころびっ放しである。


「あなた麻里亜にめでたい出来事が有ったのよ。嬉しい事に初潮になったのよ。ウッフッフッフ~!早速お赤飯でも炊かなきゃね!」


「アァ~!それは何とも、めでたい事だ!麻里亜もいよいよ女性の仲間入りだワッハッハッハー!」


 ◆◇◆

 …あの深夜この豪邸では何が起こっていたのか?


「ああああああああ!妖精のような麻里亜……アアアア!けがれを知らない純粋な麻里亜……時間が止まればどんなに幸せか!アァ~!大人の汚れた麻里亜の姿を見るくらいなら殺した方がマシだ………アアアアこの美しい麻里亜に初潮が来ただと~?そんな事………そんな事………アアアア!イヤだ!イヤだ!イヤだ!いつまでも童女のままで………どこもつやつや綺麗で………胸の膨らみのない……まるで天使のような麻里亜……アアァ~!もう少女では無い……アアアア!イヤだ!大人の女性に変貌してしまうなんて……アアアア!おぞましい事だ………そんな姿は絶対見たくない。私の宝物が汚れない内に永久保存をしないと!」


 あの日の真夜中に麻里亜の大好きな戦隊ヒーローに変装して、この部屋にさっそうと現れたのは、誰有ろう、この豪邸のあるじ後藤だった。


 麻里亜は小さい時から、どんなに泣きじゃくっていても、どういう訳か戦隊ヒーローに変装をするとピタリと泣き止んだ。

 それにスッカリ味を占めていた後藤なのだが、こんなに大きくなって通用するとは思えないのだが?


 そして…地下室に連れて行き眠っている内に苦しまないように、一気に首を絞めて殺した。

「ギャアアア————————————————ッ!」


「オオオ!愛する麻里亜許しておくれ!麻里亜の汚れた姿は、死んでも見たくない………アアアア美しい最高傑作!ケガれを知らない美しいまま………永遠に私のものだ…………アアアアアアアア!オオオオオオ‼美しい!」

 

 こうして死体を綺麗に洗浄してホルマリン漬けにした。


 あぁ~?ちなみに地下室に近づいた爺やを襲った忠犬太郎は、何故あんなに狂暴になったのか?

 実は…捜査協力の為にあの日は家に缶詰め状態だった、あるじ後藤の仕業だった。

 

 部屋で待機している時に、コッソリ太郎に合図を送っていた。

 こうして後藤からの合図で、地下室に近づいた爺やを襲ったのだ。

 全くとんでもないヤツ!

  

 ◇◆◇◆

 

 それでは、一体どこで残酷な犯罪は行われたのか?

 倉庫には、争った形跡はどこにも無く、血痕などは一切見つかっていないのだが……?


 実は…地下室の倉庫には大きな戸棚があり、回転できるようになって居て、その戸棚の下に、更に下に続く地下二階が作られていた。


 そして…大きな透明の水槽に麻里亜お嬢様を漬け込んで、しっかりと蓋をしてホルマリン漬けにして、汚れを知らない美しいままの姿を永久保存した。


「麻里亜よ!これで麻里亜は一生綺麗なままで、この地下室でパパと一緒だ……アアアア!良い案が浮かんで正解だ!ワッハッハ———ワッハッハッハッハ————ッ!」


 ホルマリン漬けにされた麻里亜お嬢様の目はパッと見開き、この真っ暗な闇の中で何を思うのか⁈闇の世界を恨めしそうに今日も睨み付けている。


 まさに悪魔の所業、人間の皮を被った化け物。

 血が騒ぎ抑えようとしても抑えきれない………恐ろしい事だ。

 だが残念な事に、このような悪魔がこの世に存在している事も事実なのだ。


 だから、知らない人や、変なおじさんには、絶対に付いて行かないようにしてね!(*^_^*)


『このベドフィリア【幼児・小児(通常13歳以下)を対象とした性愛・性的嗜好者】の男性は13歳以上の女性が完全にアウトの場合が多い。だが、中には結婚して子供がいる人も少なからずいる』


 

 おわり


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珍探偵◆金田一コナン! あのね! @tsukc55384

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