珍探偵◆金田一コナン!
あのね!
第1話⁂麻里亜お嬢様の行方⁈⁂
「パパ、バレ―教室の発表会で花のワルツのクララ役『プリンシパル』に選ばれたの最高に嬉しい!」
「何々~?主役に選ばれただと——ッ!おぉ~可愛いパパの自慢の娘、しっかり顔を見せておくれ!」
「パパ大好き!」
パパのひざの上に飛び乗り抱き付いている。
「麻里亜は本当に甘えん坊ね!オッホッホッホ~」
何とも微笑ましい一家団らんの姿がそこにはある。
「パパママおやすみなさい」
こうして眠りに付いた一二歳の麻里亜お嬢様なのだが………。
———真夜中に月に照らし出された怪しい人影なのか、それとも何か違う巨大な妖怪なのか、普通ではない巨体がマントの様なものをひるがえし、影が揺れ動いたかと思うと、麻里亜お嬢様をさらってス———ッ!と夜の闇に消えた。
恐ろしい事件の始まり。
麻里亜お嬢様はどこに消えたのか?
翌朝この豪邸の大富豪夫婦は一人娘の麻里亜お嬢様が、まるで神隠しのように消えて半狂乱状態。
麻里亜お嬢様は一体どこに連れ去られたのか⁈
そこに度々学校で起きる難事件を紐解いて、一躍、山一小学校の有名人になった名探偵『金田一虎男』君が現れた。
実は金田一虎男君は現在一二歳で、この大富豪の邸宅で働く住み込みの家政婦八重子さんの一人息子なのだ。
どうも、あの有名な私立探偵、金田一耕助の子孫だと豪語してやまない虎男君だが 『あれって確か、横溝正史の小説に出て来る架空の私立探偵の筈ですよね?』
とんだホラ吹き息子。
どうして、こんなデタラメを言う子供になってしまったのか、摩訶不思議な話である。
実はこの『ト ラ オ 君』ひょんな事から、小学校では有名人なのだ。
現在小学六年生の虎男君は、度々学校で起きる難事件を紐解いている頼もしい存在。
その為デブのクセして、すっかり自分に酔いしれている、とんだナルシスト。
虎男・トラオ・音読みで読むと【コナン】』その為、生徒たちから『金田一コナン』と呼ばれ、学校の悪事を退治してくれる頼もしい存在となっていた。
難事件と言っても小学生のやる事、たかが知れているが?🙄
過去の事件を幾つか紹介しておこう。
◆蒸し暑い夏のある日、匂いに敏感な虎男は妙な匂いに即座にこれは難事件と思い、その匂いを辿った。するとこの学校で飼っている犬の愛助が、この学校きっての超美人早苗先生のパンティ―を耳に引っ掛けていた。
何故早苗先生のパンティーだと分かったのか?
それは、サイズが大きい事。
更にさなえと、ひらがなで刺しゅうしてあった。
それでも…何故愛助が持っていたのか?
実は、当時二四歳の早苗先生は山一小学校二年二組の担任教師。
山一小学校きっての超美人先生なのだが、超汗っかきで夏場はパンティーを一日に三回も履き替える念の入れよう。
夏場の蒸し暑いある日の事、着替えたパンティーをロッカーに入れておいたのだが、匂いに連れられ柴犬愛助がパンティーをロッカーから盗み出し、体育館の物置小屋をうろついていた。
その時虎男は小学四年生、憧れの早苗先生に褒めてもらいたくて、自分の手柄をいち早く早苗先生に報告しようと、校舎を自慢げに愛助を引っ張りながら職員室に向かっていた。
すると校舎のあちこちから、まるで怒号のような笑い声。
「ックフ————ッ!オイ皆、愛助が女性のパンティー被ってヤガラ———!」
「ウッフッフッフ本当ね!」
「虎男もヤッテクレルゼ———!」
「ワッハッハー」
それはそうだろう。耳に引っ掛けていると言っても、殆ど被っているような状態。
まぁ~!早苗先生にはお礼を言われて感謝感激だが、そのせいで先生は皆の笑い者。
真っ赤になって逃げるように仕事終わりと同時に急いで帰って行った。
どうも、雄犬は女性の下着に反応するらしい。
それ以来極一部の生徒から愛助ではなく『スケベ』と呼ばれるようになった犬の愛助。
◆朝の朝礼で入学して来たばかりの一年生が、校長先生の話の長さにあわや倒れそうになったところを救った。
◆朝礼でこれもやはり校長先生の余りの話の長さに、今度はお漏らしをしたらしいのだ。
何故気付いたのかと言うと、鼻が異様に敏感な虎男はプ~ンと匂って来たウ○チ💩の匂いにいち早く気づいて、トイレに連れて行った経緯が有る。
お漏らしした子供を何故気付いたかって?
当然匂いがしたのでピ~ンと来たのも有るが、青白い顔で冷や汗をかいていたからである。
放っておけば一生のもの笑いになる所だったが、ましてや女子、一生の語り草になってお嫁にいけない⁈
危機一髪、微量のお漏らしだったので、まだ匂いが爆発していなかったので、校舎から救い出し、あわや難を逃れる事が出来た。
◆この山一小学校では、ある冬の寒い日に迷い込んで来た野良猫を、タマと名付けて大層可愛がっている。
ある日、食いしん坊のタマは給食のアジフライを一枚盗んで、校庭を掛けて行った。
それに気づいた虎男が捕まえて事なきを得たが、当然の如く食べれた代物ではない。
結局タマのお腹に消えて行った。
それでは一枚減ったアジフライを食べれなかった人物は誰なのか?
それは、猫狂、猫信者の校長だけがアジフライに有り付けなかった。
猫を一目見るなり学校で買う事を決めたのは、誰有ろう猫大好き校長だからである。
責任を取って貰わないと————
それでも…勝手に犬猫を飼う事になって、父兄から苦情は出なかったのか?
『いえいえそれには及びません。全国の学校で、約半数弱の学校で動物たちが飼育されている現状化、全く問題は有りません』
その中には少数ではあるが、犬猫も当然入っている。
◆◇◆◇◆
「ゴホン‼それでは話を本題に戻しましょう」
それには金田一の由来を紐解いて行く必要がある。
そこにはどうしようもない父親の存在が切っても切れない。
大酒飲みで、ギャンブル狂、おまけに女好き、腹に据えかねた母親の八重子が虎男を連れて家を出て、この家に住み込みのお手伝いさんとして働き出した。
なんと離婚した八重子の姓が金田一なので、金田一虎男・別名『金田一コナン』となった。
そこで早速この難事件に取り掛かろうと、犯行現場である麻里亜お嬢様の部屋に向かったコナン君。
すると麻里亜お嬢様の部屋は捜査員でごった返していた。
———とその時。
「コラ————ッ!そこの肉付きの良い坊主、捜査の邪魔だ!出て行け————ッ!」
早速、いかついハゲ頭の中年刑事に、部屋からつまみ出されてしまった。
その時だ…………遠くから微かに聞こえる声。
「タッタスケテクレ————————ッ!」
麻里亜お嬢様ではない男性の声が?
この家には通いの爺やが一人居るだけで男性は居ない筈?
一体誰なのだろうか?
それでも…このお屋敷ではなく遠くから聞こえて来る声………。
恐ろしい事件の幕開けが————
つづく
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