過去に拝読した際に素敵なレビューが既にたくさんあったので、レビューを送るのは敬遠していたのですが、再読してやはりこれは書くべき作品だと思った次第です。
本作の強みはたくさんあるのですが、中でも敷居の低さが最大の強みです。一般的な時代物は難解な単語や持って回った言い回しなど、ライトな層は取っ付きにくいものですが、本作はタグにもある通り和風ファンタジー。時代物の良さを生かしつつ、飾り過ぎない文体で包んでいく。そして、みんな大好き王道の展開、アツい戦闘と個性的な登場人物たち。そんな様々なギミックの足し算が成功した作品だと思います。万人受けを狙うと地味な作品になりがちですが、本作はそんな憂慮なんて吹き飛ばしてしまうほどの仕上がりです。
また、物語が場面ごとに違った顔を見せるのも本作の醍醐味。シリアスな回もあれば、クスッとできる回も。もちろん、戦闘は緊迫したものに。これらが上手く作用して、物語にメリハリがしっかりとついている印象です。登場人物にも自然と愛着が湧くので、自分だけの推しを探してみるのもいいかもしれません。
無料で読めてしまっていいのか、と思わずにはいられないほどに秀逸な本作。読者目線で楽しめるうえ、作家目線でも勉強になる。ネオ時代小説の名を冠するに恥じない作品です。
主人公は、大きな挫折を経験した剣士。最初は確かに驕りが過ぎる面があり、少々何ありな性格で、お世辞にも信頼に値するとは言い難い……
しかし、依頼人やかつてのライバル達、そして信頼できる師匠に支えられ、協力し合い、頼もしい武士へと成長していきます。
私が小語様の作品を推しているのは、緻密なその戦闘描写に惚れているからです。戦闘描写がとにかくかっこいい!決して派手ではないですが、すべての動きがつながった瞬間がとても美しく、一種の芸術だと思ってしまうのです。
中身に言及するならば、冷衛さんと美夜さんの関係性が、何とも切なくて素敵だなあと思うのです。とても好き。
落ち着いたお話しが好きな読者様にお勧めします。
侍が主役の時代です。
とある侍が辻斬りにあい物語が始まります。
主人公は現在でいう「何でも屋」みたいな仕事をして生活しています。その仕事の内容は迷い犬・猫の捜索など。
「何でも屋」定番である「ポンコツに見えて実は異能の力で凄い事をしている」わけではありません。(否定文ですなので注意いて下さい。)
一流大学から一流企業に就職したが、今はプーのバイトって感じです。
物語を通して、主人公の因縁の相手との対決が待っている感じがしております。(決着をつけないと物語が終わらないでしょう。)
その因縁の相手との第2ラウンドがまちどおしいです。(腰にぶらさげている獲物で、どのように戦うのでしょうか。)
それから、依頼主のアイドル並みに可愛い少女と、前に出会った美女との対決も楽しみです。(この対決は無いかもしれないです。)
是非、一読してみてください。