ダメな男しか出てこない

けど、もしかしかしたらそれは、この美女の魔力のせいでまともな男がダメになるのかも知れないし、元来、全ての男はダメなものであって、辛うじて取り繕っている表面が、この美女を目の当たりにすると簡単に剥がれてしまうのかも知れないな、なんて思わされました。

そして、この物語を男性サイドの一人称語りで描いたら、【抗いようがないフェロモン】みたいな描写が生まれるのかも知れないな、なんて思いました。

美貌と心地いい声という表面的な視覚情報、聴覚情報によって簡単にタガを外してしまう男の愚かさが、同じ男性として情けないとも思いましたが、そんなに簡単に狂えるような美女なら会ってみたい、なんてことも思わされました。

とても面白い作品でした。愚かな男の業が情けなくて面白い、と言ってしまうと語弊がありますが。