聞いたこともないはずの主題歌が聞こえる……!

 人々の平和な瀬活を脅かす謎の存在、『カニバル』と戦う宿命を負ったふたりの戦士、ミライと燈の戦いのお話。

 怪作です。
 タイトルに偽りなし、本当に〝アニメの十七話くらい〟をそのままやってしまっている、約6,000字の掌編。

 いわばある種のパスティーシュで、大別すればコメディ調の作品になると思うのですけれど(なにしろ本文中にBGMのト書き指示のようなものまであったりする!)、でも同時にどこにも手を抜いていないというか、本当に真摯に「アニメの十七話くらい」をやっちゃうその姿勢がもう気持ちいい。

 だってこれ普通にアツいんだもの……!
 というか、主人公ふたりの関係性なんかもう本当に良かったりして、気づけばすっかり物語に引き込まれていました。

 特筆すべきはやはり戦闘の描写!
 分量の大半を割いているだけあって、本当に細かく組み立てられています。
 敵の強キャラ感に加えて、逆転までの丁寧な布石。好き……。

 細部にしっかり積み上げられた、何か説得力のようなものが気持ちいい作品でした。
 主人公ふたりの関係性が大好き!