居場所をさがしてはじまる物語
- ★★ Very Good!!
真っ白な髪に肌、赤い瞳のショウ。現代でいうアルビノでしょうか。
ふつうとは違った外見を持つがゆえ、理不尽な嫌がらせによって神殿を追放され……居場所を失ったショウが、まわりの人々に励まされながら、『学院』に合格するまでのストーリー。
家族やレオナルド、フェイ、シリルなど、みんなショウを認めてくれて、いい人たちですね。ショウの心の支えになっているのだと思います。
あえて気になる点を挙げますと、読者として読みたいのはやはり主人公の『葛藤』や『成長』の物語、ということ。この作品は、『これからショウの学院生活が始まる……!』という、いわゆるプロローグの部分にあたります。これから物語が始まりゆくプロローグであっても、なにかしらのドラマを読み手としては期待してしまいます。
レオナルドと食事をしているときだとか、それなりに楽しそうな描写はありますが、基本的に追放されたショウ視点の、淡々としたストーリー展開が占めているため、個人的にはもう少し『主人公の感情の揺れ』が見たかったな、と。
悲しみに沈んだり、怒り狂ったり、大声で笑ったり。心理描写のメリハリ、そしてそこから紡がれる葛藤や成長が見たい。その一点です。
もし後日談があるならば、そうしたショウの葛藤や成長の物語が見られると今後に期待して、★★評価とさせていただきました。
私的な意見ですので、あくまで参考までに。
今後のご活動を応援しております。