にゃんこが運んできたメモから物語の謎は始まります。
現代社会でポップアップされている事柄や問題をはめ込みつつも
読みやすく描かれている物語です。
登場しているキャラクターは誰も彼も人間味に溢れていて、会話一つとっても作者様の人間観察度の高さが窺え、物語にリアリティと臨場感を与えていると感じます。
上記が良い作用を物語全体に与えており、ミステリーですが難しく感じる事無く
読み進むことが出来ます。
また人物の心理描写、内面の心の動きにスポットライトが当てられており、その事で感情移入もしやすく、より物語が楽しめるのだと思いました。
こちらの作者様はどの作品も彩り鮮やかで、オールマイティな書き手という印象。
覗いてみれば、貴方もすぐに魅了されてしまうことでしょう。
オススメです!
普通の主婦・幸子の飼い猫が、首輪に手紙を挟んで帰ってきました。
その中には、『たすけて』の文字が。
手紙もきちんとしたものではなく、汚れが目立つもの。
しかもなぜ、猫の首輪に挟んだのか?
誰かのいたずらか、本当に助けを求めるものなのか。
猫が外で動く範囲は、半径数百メートル。
その中で、何が起きているのか。
読み始めたら、あなたも知りたくなるはずです。
現代に生きる人の社会問題を交えて綴られる物語に、いつだって私達がそちらの立場になる事を再認識させられます。
危険はいつだって、すぐそこにある。
自分じゃなくても家族、そして知人が巻き込まれている事だってある。
その巻き込まれた事件が、目を覆いたくなるほどの凄惨なものである事もあるのです。
そんな現実的な恐怖を、ひしひしと感じます。
それを中和するように、美味しそうな料理もたくさん登場しますので、ご飯を食べてから読むのがオススメです。
とってもお腹が空きますので(笑)
完結してからレビューを書こうと思ったのですが、我慢できずに書きました。
最終章に入り、面白さが加速しています。
そして、登場する人物達を全力で応援したくなる作品でもあります。
私も最後まで、作者様を含め、みんなを応援し続けます。
どんな結末に辿り着くのか。
あなたもハラハラドキドキしながら、追いかけてみませんか?
ミステリー!
長き沈黙の末、作者が贈る、このミステリーは、どこへ行くのか?
ネコは、何処へ行って来たのか?
何処で、誰が?
あなたの推理は?
ナゾな問題は、まだこのレビューを書いている時点では何もわかりません。
しかし、主人公たちは、何気にやる気で、このミステリーに挑むのだった!
奇才和響さんが、厳島神社で天啓を得て書く事となった、このミステリー!
愚かな一介の人間である私には、想像もつかないミステリーです!
果たしていかなることになるのか!
ぜひ、この猫の話、いや、このミステリーをお読みいただき、一緒に楽しんでいただければと思います!