星の砂

 よく、海に近い場所にある土産物で星の砂という小さな瓶詰めを売っていることがある。正体は有孔虫なるプランクトンの死骸だそうだ。

 さて、本作は五話まで読んだ。いずれも大変面白かった。個人的には、五話目の『済野さんは語る』が気に入った。ちょっと変わった性格の持ち主かと思わせての、結末の暗示が見事である。

 本作で語られる話はいずれも、星の砂のごとくロマンチックな印象と現実的な結末が併存している。そのいずれで判断しても、また両方から判断しても楽しく斬新な刺激をえられるだろう。

 必読本作。
 

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