第16話
『待って!!!!』
『な。。。!』
『お兄ちゃん。。ダメだよ!この人たちはボルクの軍人だよ!?僕たちの国を守ろうとしてくれてたんだよ!?』
『煌。。なんで。。。』
焔の目は涙で溢れた。死んだはずの弟が今、目の前で自分に話しかけている光景に、堪えることが出来なかった。
『実はね、兄ちゃんがあの世界から出る時、僕も一緒にでてきてたんだよ。兄ちゃんはなんか人と話してて、足元に倒れながらワープしてきた僕に気づいてなかったみたいだけど。それでね、あの部屋にいた人達が、兄ちゃんが出てったあと、僕の傷口治してくれたんだ!』
『そうか。。良かった。なあ煌』
『どうしたの?』
『お前は、俺の事そんな風に呼んでたか??』
『。。。え?』
『お前は、あの小さな世界の中で俺の事を焔って呼んでたんだ。覚えてないか?』
『そ、そりゃあの時はチップで記憶が改竄されてて、兄ちゃんの事は焔っていうただの1人の神だとしか思ってなかったんだもん!』
『そうか。チップによる改竄のせいか。その''喋り方''も』
『う、うん!色々と違うとこあるかもしんないけどね?ぜーんぶチップのせい!!』
『そうか。。そうだよな』
焔の両手には
再び炎が宿った
『ええ?兄ちゃん?』
『俺は思い出してるんだよ。既に。あの世界に放り込まれる前から、お前は俺の事焔って、呼び捨てだった。くそ生意気な弟で、でも人懐っこくて、スポーツ万能で、凄く皆から愛されてた。それにお前は、そんな話し方でもなかった』
『そ、そりゃもしかしたら兄ちゃんが。あ、ほ、焔が記憶を改竄されてるかもしれないじゃんか!』
『いいや。俺は今全てを思い出してる。全てを理解してる。本当に神なんだよ。もう。』
ウェルト 伊織 @Amamiya_Iori
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。ウェルトの最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます