【KAC202211】二個目 お題「日記」夏休みでつけ忘れた日記を発見の後話

テリヤキサンド

夏休みでつけ忘れた日記を発見の後話

8月15日


今日は夏祭り。

浴衣は褒めてもらえた。

うれしい。

花火の時間まで出店を回って、お互いに食べさせた。

はじらいながら、口にするあなたの姿にキュンときた。

その後は河川敷で花火を二人で寄り添いながら、座ってみていた。


8月17日


今日は海にいく準備で、水着を買いに来た。

水着を買うときに色々と聞きながら、どれがいいか聞いたときのあなたの顔に後でニヤニヤしてしまった。

その後の試着でもすぐに目を背けようとする。

明日、海に行くんだから、これでなれないとどうするのよ?

その後は喫茶店で軽く食べて、明日に備えて帰る。

明日が楽しみだ。


8月18日


今日は快晴の海水浴日和。

人が多くて、ちょっと恥ずかしかったけど、あなたが気をつかって、パーカーをかけてくれた。

海に入れば、その恥ずかしさもなくなり、水かけっこ、水泳勝負、ビーチバレーで楽しんだ。

明日は筋肉痛になりそうだ。


8月20日


今日は森林浴にいくことにする。

森の中は涼しく、歩くのも苦にならなかった。

時おり聞こえる鳥の声に耳を済ませて、凄くいい気持ちになった。

そのうちにちょうどいい木陰を見つけて、二人で座る。

ちょっと恥ずかしいけど、あなたに膝枕をする。

顔を赤くしながら、膝枕でだんだんと眠くなり、スースーと眠るその寝顔はかわいかった。


8月22日


今日から後の課題消化のために部屋で二人っきり。

カリカリと課題をこなしていくあなたの真剣そうな顔をチラチラと見つつ、課題をこなした。

向き合ってやるのもいいけど、隣で肩を並べてやるのもしてみたいと思った。


8月28日

 

課題も終わり、夏休み最後のお出かけに向かう。

今日は流星群が来る日らしいので夜に待ち合わせして、夜の平原に二人して寝っ転がる。

少し夜風が冷たいけれど、繋いだ手から伝わる熱がここちいい。

少し、眠くなった頃、視界のすみに流れていくものを見つける。

3回の願い事はかなえられなかった。

しょんぼりする私にあなたは・・・。



 「おい。」

 

後ろから来たあなたに日記をとられる。


 「何するのよ?」

 「何って、そんなこっぱずかしい日記を見てるんじゃねえよ。ほとんどが想像だろうが。」

 「ぶー。」

 「そんな。ふくれっ面したところ変わらないからな。

夏祭りではタコヤキ食べようとして、浴衣汚して、半泣きになるし、海に行くときなんて、今にも降りそうな天気の中、遊んだせいで雨に振られて、お前、風邪引いて、森林浴にいくこともできなかっただろう?」

 「そうだけどさ、最後の方は再現できたでしょ?」

 「ま、まあ、そうだけどさ。とにかく、これは没収だ。」

 「そ、そんなあああ。」

 「・・・こんなもんなくても告白してたさ。」

 「ん?今、なんて言ったの?」

 「な、なんでもねえよ。ほら、そろそろ行くぞ!」

 「あ、うん。行こうか!」


あなたの手を取り、私は恋人としての初デートに向かう。

この先の日記はないけれど、きっといい記録を残せると思う。

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