因習村暗闇様事件

　とある山中の盆地に存在する集落にはその外れにある洞窟に住まう『暗闇様』へ定期的に生け贄を捧げる風習があり、元は別の場所に住んでいたが生まれ持った霊力による不幸を心配した両親が騙されて、その集落に移住して５年間神社に幽閉された1人の少女が捧げられていた。
　しかし、洞窟内の祭壇に転がされ食べられるのを待つばかりだった少女の前に現われた巨大な怪物は、『暗闇様』ではなく自身も何者かが分からない謎の存在だった。
　その巨体に見合わない妙に人間くさく愛嬌のあるその怪物とやりとりをする内に、涙を浮かべる少女はとある選択肢にたどり着く。

『怪異犯罪取締局特別捜査官』の前日談になるスピンオフ。

※この小説はフィクションであり、実際の捜査機関を扱ったものではありません
※犯罪、違法行為、猟奇犯罪などを助…続きを読む