概要
こうして、長い長い一ヶ月は始まる。
生家がなくなり、九年が経った。はやいなと、凪裟《ナギサ》は思う。
二十歳になった。本来なら、もう結婚をして子どももいただろうかと、あったであろう未来を想像する。
だけど、それは幸せだっただろうか──そう思ってしまうのは、絶賛片想い中だからだ。
日付の変わる深夜零時、凪裟はその片想いの相手を呼び出していた。来るかはわからない。返事を聞かずにメモだけ渡して逃げるように走り去った。
コツコツとちいさな足音が聞こえ、凪裟は背筋を伸ばす。
「あ……」
近づいてくる姿は、間違いなく彼だ。
「こんな時間に、こんな場所で……どうしたの?」
※「女神回収プログラム」https://kakuyomu.jp/works/1177354054883346486に登場する人物のあるふたりの告白シ
二十歳になった。本来なら、もう結婚をして子どももいただろうかと、あったであろう未来を想像する。
だけど、それは幸せだっただろうか──そう思ってしまうのは、絶賛片想い中だからだ。
日付の変わる深夜零時、凪裟はその片想いの相手を呼び出していた。来るかはわからない。返事を聞かずにメモだけ渡して逃げるように走り去った。
コツコツとちいさな足音が聞こえ、凪裟は背筋を伸ばす。
「あ……」
近づいてくる姿は、間違いなく彼だ。
「こんな時間に、こんな場所で……どうしたの?」
※「女神回収プログラム」https://kakuyomu.jp/works/1177354054883346486に登場する人物のあるふたりの告白シ
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