不遇の少年に救いの手を差し伸べたのは冷たい目をした魔王様でした。

KAC2022お題「私だけのヒーロー」参加作品であり、眞城白歌様の作品「Elenarze Continente Historia」(通称ヒストリア)のスピンオフ作品で、とても大好きな一作です。

ヒストリアは種族抗争を背景にしているのでエレナーゼTRPGシリーズの中でもシリアスなお話です。運命的な出会いを果たした主人公が人間族側と魔族側、どちら側につくかで話の流れががらりと変わってしまうのがまたヒストリアの魅力的なところだと思っています。
本作品のユーリスは主人公ではないけれど、ある意味で裏の主人公的な立ち位置だなと思うのです。

集落に身を寄せていた鱗族の少年ユーリスは、魔族の父を持っていたがゆえに同胞の鱗族から忌まれ、排斥され続ける日々を送っていました。
転機となったのは母の命日。
お墓参りから帰った彼を待ち受けていた運命は残酷で絶望的なものでしたが、後に最高の出逢いへと導くものでした。

ヒストリア本編では強い魔族の王として登場し、冷酷非道の面が見られた魔王様ですが、本作品では彼の意外な一面が見られるかもしれません。

完全に独断と偏見によるおすすめレビューですが、ぜひ読んでください!