個展で展示するイラストの説明文(飽きた)


私がイラストの中に昆虫を取り入れているのは

その美しさを知ってもらいたかったからです。

昆虫はよく「虫ケラ」と称され、不快だから、で片づけられてしまいがちな存在ですが、その在り様は非常に合理的で多様性に富み、この世の中でも特に「役に立つ」存在。

ただ、興味が湧かなければそんなものはしらん、で終始。目を向けられず足元で消えていく小さな存在。興味をもってもらうには、知ってもらうには「美しい」「綺麗」と目を留めてもらえるような絵にしなければならなかった。


興味を持ってもらえる一番効果的なものは「かわいい」という感情に訴えかけることですが、


そうしなかったのは「かわいい」という感情には危うさも内包されているように感じていたからです。

「かわいい」よりも「美しい」と感じてもらえたら、より山々に対して無意識下に抱くような、畏怖にも似た念を抱いてもらいやすいと思いました。「かわいい」からと安易にペットにしてしまうような、手に取りやすいキャラクター化をするのではなくありのまま尊重したいという、



そんな高尚な思いを持った、それ以外は何も持たない、恐ろしく幼稚で恐ろしく無知な私の事を、愛してくださいますでしょうか。幼稚で無知。とても愛らしいでございますでしょう?それが23年も生きた女だという情報がなければとても魅力的で、支配したい属性だと思いましたでしょう?それこそが人間が他の生き物、「下等」だと言葉に出さずともさげすんでいる、自分とは全く別の生き物に対する観念ですわ。「幼稚」「無知」すなわち「かわいい」という感情を沸き立たせるものには「守ってやる」「可哀そうだからまあ、生きてていいよ」と寛容になれるのですわ。





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安く短い文章 キヲ・衒う @HanketsuZoroli

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