始まった、人類滅亡へのカウントダウン。侵略者の目的はなに?

地球に近づく小惑星。とはいえ天体衝突なんて危険はなく、一部の天文マニアが注目するだけの存在。そのはずだった。しかしそれは、人類に終末を告げる悪魔の星だった。

徐々に地球に近づいてくる謎の天体と、その動向を探る科学者。
それから少し時間は進み、その天文から出てきた侵略兵器により滅亡の危機に瀕する人類と、そんな絶望的な状況の中で生きる少年、退助。

二つの時間軸から、未知の異星生命体に対する考察と脅威、そしてその対抗策を練る様子が書かれているのですが、その過程が非常に濃厚。

宇宙からの侵略者なんて今までフィクションでは数えきれないほど出てきましたが、それらがどんな生体をしていて、何の目的で侵略を行うかは、サラッと流されることも多かったです。
しかし本作の場合、そこを解き明かすというのが、話の主軸の一つ。
広い宇宙で、侵略者はなぜわざわざ地球にやって来て人類を襲うのか。そんなことをして彼らに何のメリットがあるのか。作中でも多くの人達が侵略者の正体や目的に対する予想や考察をしていますが、はたして真実は何なのか。これから本作を読む方々も、読者という立場で考えてみると、よりこの物語を楽しめるのではないかと思います。

その他のおすすめレビュー

無月兄さんの他のおすすめレビュー3,207