半身
つくお
半身
ぼくには生まれたときから右半しんがありません。だから、ぼくの右半しんはつくりものです。右半しんをはずすと内ぞうが流れ出てしまいます。
おとうさんは、広いせかいのどこかにぼくにぴったりの右半しんをもった子がいるはずだといいます。ときどき、ぼくと同じくらいの年ごろの子どもをつれてきては、地下でたてに半分に切ります。そして、右半しんをぼくにつなぎ合わせるのです。
お母さんはのこった左半しんで料理をつくってくれます。ぼくはなれない体をつかっておいしくいただきます。
右半しんはうまく合わないと、ひと月もしないうちにだめになってしまいます。くさりはじめたらあわてて取りはずして、いつものはりぼてに逆もどりです。
半身 つくお @tsukuo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます