別れと出会いの繰り返し……番外編「巨乳バニーガールと最強空手ギャルが弱虫オタクと同棲中」

神無月ナナメ

出会いが先で別れは後が当たり前?

 笑いも一段落した。背中からおろしたい。状況を伺う佳二だ。


「ねぇねぇケーちゃん。次のお題ってさ名曲じゃねぇの?」

 真剣にモニタ画面を見つめた永依。真面目な問いかけだった。


 出会いと別れだって……なんとなく佳二まで記憶を巡らせる。ほとんどの状況だ。入学で出会い卒業で別れるが。名曲だって?


 しばしの黙考……「あ! めっちゃ昔。歌い手違うやつかな」

 いつもの考えるひと的ポーズだ。しばらく悩んだ佳二だった。


「えぇっ!? ちょっと前に公開された。記憶屋の主題歌じゃん」

 佳二の背中から永依の叫声だ。しかも説明が追加されている。


「記憶屋ぁ? 織守きょうや先生の小説じゃんか。ホラー風味の内容だけど推理小説だね。たしか作家さん。弁護士だったっけ」

 永依が話した映画。未見だけど原作シリーズ読破した佳二だ。


 ついでに映画記憶屋。検索したところ……同じ歌なんだよね。

「同じ歌だけどね。原曲が1975年。シングルレコードだよ」

「1975年って大昔じゃんか!? ママでも生まれる前だよね」


「そだね。いろんな歌い手さん。何度もリバイバルしてる名曲。薬師丸ひろ子さんって人のヴァージョン。一番売れたのかなぁ」

 昔のことに頭を捻り記憶を呼び起こした。おもいだして語る。


「薬師丸ひろ子さん? セーラー服と機関銃だ。さよならはー」

「なんでしってるんだ? おんなじだよなぁ。ネーちゃん布教」

 歌い始めようとする永依。さえぎる形での問いは嫌な記憶だ。


「そだよーママ。めちゃくちゃファンだって。映画見せられた」

「こっちの曲も調べたよ。作詞家は来生えつこ先生なんだけど。弟の来生たかおさん作曲。名曲……エーちゃんぽい内容じゃん」


 ほんとに爆発したらなにをするかもわからない。映画と同じ。

「アッハッハッハー。映画とか歌。現実に近いかもしんないー」

 照れ笑いする永依。反省する気もない。それが悩みの佳二だ。

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