🐯その3 出会いと別れ
寅衛門「……リワード獲得に第5回目は必要なかったんだな」
寅吉「……助走だと思えば」
寅衛門「"じょそう"と打って"女装"が初っ端変換候補という作者のパソはどうなっているんだ」
寅吉「買ったばっかりでまだ単語の学習もさせていないというのに」
寅衛門「末恐ろしい……」
寅吉「マウスコンピュータのせいか、ATOKのせいか……」
寅衛門「さて今回のお題は出会いと別れだが」
寅吉「どうすればいいのかさっぱりなお題ですな」
寅衛門「う~ん……。じゃあここはひとつ、恋愛モノに必須なテンプレプロットでも紹介するか」
寅吉「テンプレ過ぎてだいたい皆さん、ご存じとは思いますが」
寅衛門「恋愛モノの基本プロットをここにドン!」
起:出会い
承:接近
転:一時的な別離
結:再会
寅吉「まあ基本中の基本ですよね。っていうか、大体の恋愛モノはこの基本プロットで構成されてるんじゃあないですか」
寅衛門「そうそう。だから無難に恋愛モノを書くときは、まずはこの4つの要素を頭に入れてストーリーを組み立てることが大事だ」
寅吉「ハーレムタイプのラブコメなんか、この起承転結を延々繰り返していますよね」
寅衛門「まるで水戸黄門のようなお約束のストーリー展開は、それでも安心感からか読者に受け入れられやすい」
寅吉「舞台を移して、ヒロインを変えて、起・承・転・結! 起・承・転・結!」
寅衛門「ワンセットごとの短編集にも使えるよな。例えば、春夏秋冬の四季それぞれを背景に、相手役を変えての起承転結」
寅吉「相手のキャラクターによって、接近の仕方もパターン化されていますし」
寅衛門「異世界に移動するもよし、食パンくわえた美少女と曲がり角でぶつかるも良し、疲れから黒塗りの高級車に衝突してしまうのも有り」
寅吉「……いや、最後はヤバいですね、いろんな意味で」
寅衛門「で、この基本プロットのキモとなるのが転の"一時的な別離"だ」
寅吉「ありますね~。もう少しで両想い、というところで思わぬライバル登場とか、すれ違いとか、勘違い発動とか」
寅衛門「この焦らし加減が作家の腕の見せ所だろうな」
寅吉「ということは、プロもこのプロット使うんですか」
寅衛門「使う、使う。というか、ちょっと思い浮かべるだけで、映画演劇オペラに小説、漫画も含めて古今のポピュラーな創作物には必ずこのエッセンスが入っている」
寅吉「物語の基礎であり基本であるわけですね」
寅衛門「ひねり技として、"一時的な別離"が"完全な別離"の要素に変換される物語もあるが、それはお涙頂戴の死にモノなどに使われたりするな」
寅吉「でもひねっているだけで、基本構造は変わりませんね」
寅衛門「もし小説の創作に行き詰まりを感じたら、まずは原点に戻って物語の4つの要素から組み立てなおしてみてはどうだろうか」
寅吉「もしかしたら4つの要素の順番が入違っているから物語が成り立っていない、などということもあるかもしれません」
寅衛門「また、4つの要素の中にもさらに起承転結を入れることにより、物語の厚みや長さを調節することができる」
寅吉「物語のコントロールが可能になるわけですな」
寅衛門「少なくとも、いつまでたっても終わらない、とか、結末迷子にはならないと思うぞ」
寅吉「……まあ、いうてこのプロット、web小説ではなく公募向けのプロットですよね」
寅衛門「web小説の書き方、ここの作者はワカラン! いうて放り投げているからな」
寅吉「そのあたりはカクヨム運営公式にお任せましょうか」
*『カクヨム小説創作講座」のアーカイブ動画の販売を開始しました』https://kakuyomu.jp/info/entry/workshop2021__archive
寅衛門「3,000円だそうです! 毎度!」
寅吉「Oh……」
KAC2022_参加作品集 葛西 秋 @gonnozui0123
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