知識無くば書けない転生歴史物語

現代知識を持って転生。
というと、それで他者を圧倒するお話が多いかと思います。

事実、この作品の主人公の知識『は』中世欧州において、
隔絶した圧倒的な知識であると言い切れます。

しかし、当時の世界を一瞬で変える事は出来ません。
また、当時には当時の価値観と常識があります。

余りにも圧倒的な知識は、当時の人は理解出来ない。
そもそも説明する土台の知識すら当時には存在しない。

当然の事でありながら、案外見過ごされがちな事です。

現代の常識と中世の常識の齟齬。
それしっかりと描き、でありながら硬くなり過ぎない。

一人称視点とそれらが良く噛み合っていると感じました。
そして、この齟齬は作者に知識が無ければ書けません。


更に、この作品は歴史物語。
絶対に逸脱出来ない基本的な歴史の道があるのです。

歴史をなぞりながら、創作を組み込んでいく。
こちらも、中世欧州の歴史的知識が無ければ書けない。

転生物語であると同時に、中世欧州と技術を学べる。
そう言った意味でも、実に面白い作品です。

作者様の知識量に脱帽の一言です。



なお、主人公の主目的はじゃがマヨコーンピザです。

え?何言ってるか分からない?
上記のレビュー文と温度感違う?

読めば分かるよ、本当に分かるから!

はたして、主人公は目的の物を食せるのか!

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