語られない本文外の余白が、静かに恐怖を積み上げている。

おそらくは、指輪に出会う前から持っていた異能であろうとは読み取れるんだけど、それは明確に描かれていない。また、唐突な凶器の存在は日常にはないシチュエーションであるし、「その凶器はいったいどこから現れた?」と思わせられるが、それがこの作品の悪夢感、或いは狂気を一層盛り上げている。

細やかな説明文や冗長な描写が魅力という作品も多いと思うが、それらを排除する事が恐ろしさを大きくしている作品だなと、私は思いました。

とても面白かったです。ありがとうございました。