推しということをまるで理解できない宇宙人のこと

　人間と言うのは極めて不可解な生命体である。非合理的なものを好んでいたり、他者を尊ぶ心を持っていたり、あるいは不可能だと分かり切っていることに挑戦することであったり、とにかく不可解で意味が分からない。しかしそれは人間たちの社会の中で過ごしてみればわかるだろうとボクは思っていた。だって人間なんて細胞の少ない可哀想な連中に高度な知能なんてないと思っていたから。
　そうして日本と言う島国の高校生と言う学生の一人に擬態したボクは人間たちを観察することとなった。しかしそこでまた意味不明で不可解なことにぶち当たるのである。

　これはボクが豚と人間の交雑種という珍しい人間を観察した時の話だ。