Kakuyomu Arigatou Congratulations!!! 02

小鳥遊咲季真【タカナシ・サイマ】

第2話  推し活 スピッツ

 私の推し活について考えてみました、小鳥遊咲季真でございます。



 今回KAC2022はエッセイで綴っているのですが、推し活というテーマを見たときどうしようかと思いました。特別一つのことを、誰かを推しできたことあったかな……と考えてしまったのです。



 私の最高の悪友たちによって、私はいわゆるオタク文化を少々嗜んで来ました。そういう意味では嫁とか、今期の推しとか、マイ・フェイバリットとか、人生のバイブルとかあるわけですが、果たして推し活と言えるほどのことをしたことがあったかといえば……どうでしょう。どれも好きではいたし、グッズを買い漁ったり、同じ書籍を何冊も買ったりしてましたが……推し活? とまで行かない気がしているのです。推してはいたけど、活動までは行かないような。



 そこで趣味つながりで考えついたのが音楽でした。



 私は高校のときにアコースティックギターに何を思ったか手を出し、大学に入るや否やエレキギターを買い、四年間を潰しました。そんなんだから留年を半年しました。単位不足感がすごいですね……ハハハ笑えない。



 さて、そんな音楽を始めるきっかけというのが、よくある親の好きな曲を聞いて……では無く、棚にあったシィーディーを借りて聞いて、嵌ったパターンです。アーティストは皆様ご存知、ロックバンドのスピッツです。



 空も飛べるはずを学校の授業だか課題曲だかでうたったらしいのですが、きちんとスピッツを聞くまで私は音楽の良さなどわかりませんでした。音痴だし。楽器などできないし。リコーダーさえ怪しい。うまく行かないことしかない、苦手で避けて通りたい嫌なイメージ。科目でした。



 スピッツにハマったのはその表現です。歌詞においては、草野マサムネ氏の日本語を最も正しく使用している日本語に魅了され、文学的などといえばそれは愚かしいほど愚問な言葉にしかならないその表現力は綺麗で美しくて、絶対的にロックンロールであります。



 ……日本語がおかしくなりました。失礼しました。



 音楽で言えば言葉も文字数も無駄にしかならなず、言い表すことなど到底無理なのですが、敢えて小説家もどきながらに書かせていただきますと、



 上質の上に成り立つ荒ぶるベースに


 天才肌の精密ドラムロックンロールに


 徹底徹美カリスマアルペジオストのギターに


 永遠不滅の若さと美声に


 流行嘲笑世間反抗且つ心をそのまま取出した言葉たちを


 それぞれ乗せて一つになったロックバンド



 私の推し活はそんなスピッツです。



 2014年から高校生で必死にためたお金で初めてライブに行って以来2021年まで北海道で開催されたライブには全参戦。大学の軽音サークルで披露した演奏の八割はスピッツ。私のソウル。私の人生。共に居てくれた大切な存在。感謝をどれだけ並べても足りないほど感謝しております。人間関係が嫌だった学生時代、受験、大学のストレス、小説のアイデア、世間への反吐、就活での絶望、コロナ失業による自殺未遂。すべての隣には、気がついたらスピッツの音楽と言葉があって、私は生きてきたんだと思います。



 スピッツを聞いたから知った音楽がありました。


 スピッツを知っていたから聞いた他のバンド、音楽がありました。


 スピッツが好きだから音楽を少しかじるぐらいのことができました。



 スピッツのおかげで高校踏ん張れたし、大学で生き残れたし、今、死なないで生きているんだと思います。



 ありがとうスピッツ。


 ありがとうございます。


 これからも死ぬまで推して参ります。


 よろしくお願いします。





 それではまた次のKACで。

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Kakuyomu Arigatou Congratulations!!! 02 小鳥遊咲季真【タカナシ・サイマ】 @takanashi_saima

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