1位になるのを阻む彼は、憎たらしいライバル? それとも……

本作の主人公である花守沙良は、学業優秀です。どれくらい優秀かというと、都内有数の進学校で学年2位になれるくらい優秀です。
そう、2位なのです。決して1位ではないのです。

その、沙良を抑えて1位に君臨するのが、不破秀司くん。おまけに彼は、イケメンであり運動も得意で美術や音楽も優秀というパーフェクトぶり。
ただしとってもドSです。

もちろん沙良だって、2位で満足なんてしません。
絶対に勝つ! ぎゃふんと言わせてみせるからと言っては、毎回秀司くんに勝負を挑むのですが、結果はいつも、2位、2位、2位!
ここまでくると、勝負を挑むための啖呵がまるで負けフラグのように思えてきます。

そして負けるたびに秀司くんからドSな煽りを受け、盛大に悔しがるのですが、沙良には悪いけど、そういうところが実に微笑ましい。
そう思っているのは自分だけでなく、作中の登場人物も同じです。
どんなに負けても挫けない沙良を応援する周りの子達。そして何より、いつも沙良を返り討ちにし悔し思いをさせている秀司くんこそが、そんな沙良に最も惹かれているのです。

毎回勝負を受けて立つのも、買った後でドSに弄るのも、それだけ沙良のことを放っておけないから。
それに沙良だって、そんな秀司くんのことが……えっ、違う? 別に彼のことが好きとかそんなんじゃないんだから?

沙良はこんな風に言っていますが、こんな二人の関係は、いったいどこに行き着くことになるのでしょうか。