君を残して進み続ける時間、その狭間で君ともう一度食卓を囲もう

文筆業の男の前に、死別した妻が現れた。
健啖家の彼女のため、彼はさまざまな手料理を振る舞う。

昭和初期という時代感に馴染む語り口と、当時のモダンな料理の数々が織りなす空気感が最高に素敵でした。
限られた時間の中、生前と変わりなく美味しそうにたくさんのごはんを食べる妻の姿。
温かさと幸せと、そして再び訪れるであろう別れの切なさがずっと漂います。

妻を喪い、一人だけ前に進み続ける主人公の人生。
ラスト、新たに選んだ道の先にある希望に、胸が苦しいほどの愛と優しさを感じました。
素晴らしい作品でした!

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