第5話 長いあとがき
今回、色々失敗した過程も書こうと思ったのだが、米粉パンを作っていた経験が生かされて、大きな失敗することがなく無事に終わった。
やはり、生米パンを作る前に米粉パンを作る経験をしていたことが良かったのだろう。パン作りをしたことない状態で、生米の丸パンを作ったころとは大違いである。あのときは、カッチカチの石のようなパンが出来上がったので、自分にはパン作りのセンスなどないと思っていたのだが、根気強く続ければ案外作れるものである。
生米で作るパンは難しく思えるかもしれないが、ちゃんとしたミキサーさえあればもっと簡単に作れる。このパン作りにとって重要なのは、「米をきちんと砕く」ことにあるので、性能の良いミキサーを持っている人が作れば、成功率はもっと上がるだろう。
また材料は簡単に揃えられるので、「やってみようかな」と思ったときに作れる気軽さがある。もし、やってみたいと思った方がいたら、レシピを参考にしてみてほしい。ただ、いつもの如く本家本元のやり方を無視しているので、ちゃんと成功させたいと思う方は、紹介した料理本を買ってみたり、図書館で読んでみたりしていただきたい。
ただどちらにせよ、生米パンが広がるのことは筆者にとってはもちろん、本を書いた著者にとっても嬉しいことだろうと思うので、よかったら挑戦してみてほしい。
折角なので、生米パンの小話もしておこう。
筆者はイーストを働かせるための糖分としてみりんを使用したが、メイプルシロップや蜂蜜、水あめなどでもよいと思う。特にメイプルシロップは、参考にした料理本にも使われているので、間違いない。
砂糖を使うことも可能だが、その際は少し量を加減する必要がある。液体のものとは糖度の換算の仕方が違うので、みりんやメイプルシロップと同じ量の砂糖をいれると、甘さが強く引き立つ可能性がある。
やってみたことがないのでなんとも言えないが、精製度の低いもの(きび砂糖や黒糖など。ただ、きび砂糖の方が味の邪魔をしない。黒糖を入れると、多分黒糖の味が強く出ると思われる)を使うと比較的上手くいくかもしれない。
また、先にも述べたがハンドブレンダーは使わない方がいい。(性能の良いミキサーを使った方が、時短にもなるので)
筆者のレシピにはハンドブレンダーが登場するが、たまたまハンドブレンダーの中でも特に性能の良いものだったので、米を砕くことができた。しかし、それでもミキサーを使うより根気強さと労力が必要なので、ミキサーがあるならそちらを使った方がよい。
また、ミキサーの中でも氷なども粉砕できるものがよい。米を細かく粉砕できることが重要なので、それができるかどうか見極めてから行った方がよい。
生地を素早く滑らかにすることが、生米パンを成功させる秘訣である。
それから、オーブンの癖を勘定に入れること。
どんなオーブンにも癖がある。
筆者が提示した温度で作ったとしても、ものによって少し火力が強かったり、弱かったりするせいで、火の通りが早く、焦げてしまうこともあるだろうし、生焼けになることもある。また、上下の火力の加減も違うことがあるので、それは付き合っていく内に知る必要があると思う。
もちろん、生地の状態によっても変わるので、はっきりとオーブンの癖のせいとは言い切れないが、それを知っていることで、よりよい状態の生米パンを焼くことができる。
ただ、最近のオーブンの性能はよくなっているだろうから、それほど気にしなくても上手く焼けるのかもしれないが……(筆者が使っているのは30〜40年くらい前のもの)。
それから米の銘柄は、好みで選んでよい。
もっちりが好きであれば、もちもち感が強いパンが出来上がる。
それが苦手な人はできるだけさらっとした米を選ぶとよい。さすがに小麦粉のような仕上がりにはならないが、生米を使ったパンのなかでもさらっとしたパンが出来上がるはずである。これは好みで色々分かれることだろう。
最後になるが生米パンを作ってみて思ったのは、米粉とも違うパンなので、これは作って食べてみた人にしか分からないということ。
もし興味がある方は、作ってみてはいかがだろうか。
(完)
*近況ノートに生米パンの画像を公開いたしました。
【[画像付き]生米でふわもちパンを作りました。】
https://kakuyomu.jp/users/Pleiades_Yuri/news/16816927862296652647
【[画像付き]生米でパンを作りました(断面)。】
https://kakuyomu.jp/users/Pleiades_Yuri/news/16816927862296743263
生米で、ふわもちのミニ食パンを作った話。 彩霞 @Pleiades_Yuri
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