7(終)
リラは心地よい風と良い匂いの暖かいベッドに気がつき目を覚ました。目の前には晴れやかな空が広がっており、視界の端に大きな羽毛がチラチラ映る。起き上がって周りを確認したリラは目を丸くした。
「私今、空を飛んで……」
『おはよう、もう大丈夫?』
振り向くとアクイラは先程までとは違う方の目を包帯で巻いて緑色の左目を見せていた。決してリラの方は向かず、下に広がる街に目を向けている。
『ごめんね、君を運ぶために体に触れてしまった』
「いえ、ありがとうございます。これは……」
『俺の神獣。権力者は全員神獣を与えられるって、聞いたことない?』
背中の羽毛を撫でると鷲は嬉しそうに喉を鳴らした。
「かっこいい……」
『ありがとうだって。今から中央に行くよ、買い物をしなくちゃならないから。欲しいものがあったら言ってね、君のためなら何でも買ってあげる』
アクイラは目を閉じて微笑む。そんな二人を少し離れたところから怪鳥に捕まったヴルターが羨ましそうに見ていた。
君の太陽になりたい コルヴス @corvus-ash
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