第8話 『殺人事件の被害者になれ!!』
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著者:ピラフドリア
第8話
『殺人事件の被害者になれ!!』
炒飯を食べた山田くんは不味いと言ったあと、その炒飯を俺に渡してきた。それは食ってみろということだろうか。
「…………食えって?」
俺がそう聞くと山田くんは頷く。
つまりは食えってことか……。
俺は恐る恐るその炒飯を食べる。
「んっ!?」
確かにゴムみたいな味だ。めっちゃ不味い。これを食べ物と言っていいレベルなのだろうか。
山田くんを見ると、頬を膨らませて怒っている。
炒飯が美味しくなったため、不機嫌になってしまった。だが、これで成功だ。
山田くんが俺を殺害する理由ができた。まぁ、証人がいないからどうしようにもならないが……。
まぁ、洗い物とか、その辺を見てあの刑事が適当に殺害理由をでっち上げるだろう。それが目的なわけだし……。
次は実際に殺された状況を作る必要がある。だが、山田くんが第一発見者であり、それは犯人は戻ってくるという考え沿ってそういう計画にした。
山田くんは俺を殺した犯人であり、殺害現場に戻ってきて第一発見者のふりをする。そんな感じだ。
しかし、実際には俺は殺されていないし、犯人はいない。
俺が死んだふりをしている現場を山田くんが見つけて、事件発生。依頼をしてきた刑事がこの仕事で山田くんが犯人だと偽の推理をして、お手柄を得る。
それが今回の時間の真相である。だが、真相は闇の中になるはずだ。
俺は山田くんに見つからないように、包丁とケチャップを持って部屋を出る。そして隣の部屋で俺はナイフにケチャップを塗りまくり、俺の身体もケチャップ塗れにした。
そしてケチャップが塗れの身体で俺は倒れた。その時に大きな音を鳴らして、わざと山田くんが見にくるようにした。
周りの家にも争っていた様子が伝わるように、大きく音を鳴らし、誰かが走ってくる音が聞こえてから、俺は地面で寝た。
これで山田くんが俺のことを発見すれば、計画は成功だ。刑事が事件を解決するだけである。
しかし、そうはならなかった。
扉が開かれると、そこから現れたのは、アフロのおばさんだった。
「キャーーー!!!」
おばさんは悲鳴をあげる。その声を聞いた山田くんと刑事さんが駆けつける。
「な、なんだ、…………これは!?」
刑事はめっちゃ下手な演技をしながら入ってくる。山田くんが第一発見者ではないが、計画は継続するらしい。
刑事さんは立ち上がると、おばさんと山田くんの方を見た。
「犯人はこの中にいる!!」
いや、早すぎる!! まだそれを言うタイミングじゃない!!
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