第2話 『魔王になりきれ!!』
時給100円で何でもやります!! スタントマン、魔王、宇宙の皇帝まで何でもござれ? 世界一の便利屋さん!!
著者:ピラフドリア
第2話
『魔王になりきれ!!』
俺は勇者に討伐される魔王の代わりになるという依頼を受けた。
そしてリザードマンが住んでいる世界の扉を開けて、その世界にやってきた。
「ま、魔王様が帰ってきた……」
「まおーさまー!!」
そちらの世界に行くと、早速魔王の部下達が嬉しそうに寄ってくる。
そんな部下達を置いて俺は早速魔王の玉座に向かった。
そして魔王の玉座に着くと、そこにいる部下は……
「まおぉ〜様どこ行ってたのぉ」
全員美人の女性だらけだった。
さっきまでは骸骨とか宝箱に擬態したモンスターとかばっかりだったのに、玉座には女性のモンスターばかりしかいない。
最低限いるのは側近のさっきのリザードマンだけだ。
リザードマンの話では魔王が逃げたことはリザードマンしか知らず。今のところどの部下も俺のことを本物の魔王だと思い込んでいるらしい。
実際の魔王はどこに行ったのやら。どちらにしろ、こんな女性に囲まれた環境を作っているのは妬ましい。俺は何もない空間で暮らしていると言うのに……。
しかし、この状態で本当に魔王城を守る気だったのだろうか。さっき見た感じ強そうなモンスターはいたが、この魔王の部屋に近づけば近づくほど、女性モンスターが増えて弱くなっている気がする。
それにうさぎみたいなモンスターも配置されてるが、これは完全に女性の気をひくためのモンスターである。
こんな状態で待ち構えていたら、それは逃げ出したくなるだろう。
なんなら勇者に殴られるかもしれない。
さっさと配置を変えて城の警備を強めたほうがいい。俺がリザードマンに指示をしようとした時。
「魔王様……もう勇者が下の階まで来ています。どうしましょう」
もうすでに遅かった。
まぁ、リザードマンからの依頼は魔王の代わりになってほしいだ。魔王としての威厳があれば良い。
逃げ出したりしなければ良いんだ。
でも、この状態を見た勇者はどう思うだろう。魔王のことを変態と思うだけだと思う。
これで威厳があるのだろうか。いや、ないだろう。これはただの変態と警察、いや、変態とお母さんの戦いだ。
「…………あ、あの、もう勇者がそこまで来てて……どうしましょう……」
というかこのリザードマンも結局何がしたいんだーー!!
もう分かった。やってやる。やってやるよ。
俺は立ち上がる。
「今から勇者撲滅作戦を始める!!」
俺がそういうと城内で驚く声が聞こえた。
「魔王様が魔王っぽいことを言ってる!!」
ここの魔王はどこまで魔王じゃなかったんだ!!
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