第4話 『勇者に天罰を?』

時給100円で何でもやります!! スタントマン、魔王、宇宙の皇帝まで何でもござれ? 世界一の便利屋さん!!



著者:ピラフドリア




第4話

『勇者に天罰を?』





 こんなふざけた勇者をどうすれというのだろうか。俺は助けを求めるような目で側近のリザードマンを見る。




 しかし、リザードマンは目を背けた。




 お前が俺を連れてきたんだろうが!!




 だが、ついに決戦の場。ここをカッコ良くしてあげるのが、俺の仕事。




「フハハハ、俺の力を見せてやるぞ!!」




 俺はそう言うと、立ち上がる。





 俺の力は様々なものに変身する能力である。それを使うことで魔王だろうが勇者だろうが、神様の代わりにだってなれる。




 それに俺の能力は見た目を変えるだけではない。その者が持っている特殊な力もコピーすることができるのだ。




 そのため今はこの世界の魔王の姿に変身している。だから、魔王の力で勇者と戦えるのだ。




 俺は手を勇者に向ける。




「くらえ、死界の扉(デスゲート)」





 魔王の能力を得た時。この能力の説明を読んだ。俺の能力は変身すると同時に、説明書が出現する。

 その説明書の453ページ。




  死界の扉(デスゲート)。

   近くに地獄への門を開くことができる。




 なんだか強そうな能力だ。これで勇者をボコボコに!!




 だが、違った。




 俺の手に突然花が咲いた。




「え?」




 俺は思わず声を出してしまう。




 だが、それを見ていた勇者は、




「ぐぁー!!」




 何もしてないのにダメージを受けた。




 なぜだ!! 何が起きたんだ!?




 勇者は剣を杖代わりにしながら身体を支える。




「ま、まさか、地獄から死んだ花を蘇らせるとは……恐ろしい芸だ」




 何を言ってるんだーー!! この勇者はーー!!




 勇者の周りにいた女性達は、咲いた花に魅了されている。




 いや、なんでそうなるの!?




「ふふふ、だが、俺は勇者、勇者の力を見せてやる!!」




 そう言うと勇者は剣を振った。すると、勇者の周りに花びらが舞った。




「これぞ、我が奥義花びらの舞」




 マジで何がしたいんだよ!!




 くだらない。めっちゃくだらない。勇者と魔王の戦いってこんな感じなの?

 めっちゃショックなんだけど!!




 もっと雷だったり炎だったり、もうすっごい技が出まくるバトルだと思い込んでたよー!!




 俺がそうショックを受けて固まっていると、天井から何者かが振ってきた。




 それは俺の姿を同じ姿をした……。




「魔王!?」




 魔王は自信満々で現れると、




「ふふふ、今までのは偽物だ。この俺様が本物の魔王だ!!」




 と言って現れた。




 そして「本物の芸を見せてやる」と言った後、勇者と芸見せ勝負を始めて、魔王が勝利していた。








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