鮮やかに描かれる、思春期の少女の心の内。

好きな男の子に対して素直になれない女の子。今の関係を壊すくらいなら、このままでいい――。そんなもどかしい心情を描いた作品。
有体に紹介してしまえばそんな感じになってしまいますが、それだけに止まらない、滑らかな筆致で描かれた主人公の心情が、流れ込んできました。

不透明でどっちつかずな色をした、もどかしい思春期。さりげない会話の中に映る、友人や相手の男のことの関係性。甘酸っぱい恋とか、そんなありきたりな表現も違う気がする、リアルな日常の1ページという感じがしました。素敵な物語でした。