毒をもって毒を制す――アンチヒーローの宴


 美しい文章と織り込まれた描写の数々に圧倒されます。

 殺し屋の主人公の目的が金でないところや、無名である理由は

 ストーリーの進展によって明かされるのでしょうか。

 数ある殺し屋稼業物で、本作の目新しいところは

 ちょっと変わったバディ……ヒロインの存在。

 最初から恋愛が成就せず、いつしか別れが決まっている暗い運命を

 吹き飛ばすかのような明るい性格と言動。

 そして陰惨でピカレスクな世界観に癒やしが訪れます。

 彼女が登場してからが旅の始まりと言えるでしょう。

 あとは、なぜ恨みを抱くはずの主人公に対し

 好意を抱くようになったのか、納得できれば……。

 イケメンだから?

 

 

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