砂漠を潤す水の出所は涙か愛か。生命の儚さと逞しさを謳い上げた願いの物語

舞台は砂漠、涸れた世界に水をもたらす〈水の蜂〉という種族の謎を追い求める異世界ファンタジー。
魔法を使う者、秘術を使う者、剣を使う者、戦うすべを持たない者……さまざまな人や生き物がリアリティをもって描写される。この苛酷な世界に翻弄され、互いに手を取り合い、力と知恵を絞って生き抜いてゆく。

〈水の蜂〉の生き残りであるらしい青年ムルは、戦う力を持ちながらもどこか儚げで、それは〈水の蜂〉という種族そのものの儚さを強く印象付ける。
共に旅をする元気な少年アルガンは勿論、美人だが戦いとは無縁の学者チャッタよりも、時に頼りなく浮世離れして見える彼。戦闘になると無類の強さを発揮するのに、どうして「そう」なのだろうか……

その謎が明かされる時。
この世界の生命が育んだ、力強い「願い」の結末を目撃してほしい。

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