徹頭徹尾ふざけてひどい!しかしどこかに漂うペーソス

筋の通った話もクソもないスラップスティック…という楽しみ方もできる。
しかし「人間なんて、そんなものだろう?」というペーソスも感じられる、純文学にB級映画をのっけたようなそんなお話。
常に勝利し、常に自分の思想を貫き通せるようなヒーローは現実には存在せず、時には卑屈に、時には卑怯に振る舞って、自分でもなぜ大切にしているのかわからない本懐を遂げる主人公にまさしく「人間味」を感じた。