概要
原点の諱は
今夜はじつに波の穏やかな夜でございます。それもそのはず、鼻高々な四日月はその自慢の先に鼻提灯ふくらして「ズー、ズー」と寝入っております。
また大層みごとな満天の夜でもございます。空は目一杯の星化粧ほどこして、不断のぶすっとした単黒でなく藍紺へと明らめております。その藍紺の色合いがこれまた豪い。あっぱれでございます。どれほど熟達熟練の極みに達した漆職の匠、陶芸の大家であっても作り出せる者は皆無でありましょう。自然のみが悠久の時の中の、その一瞬間だけ垣間魅せる配合配色でございます。
また大層みごとな満天の夜でもございます。空は目一杯の星化粧ほどこして、不断のぶすっとした単黒でなく藍紺へと明らめております。その藍紺の色合いがこれまた豪い。あっぱれでございます。どれほど熟達熟練の極みに達した漆職の匠、陶芸の大家であっても作り出せる者は皆無でありましょう。自然のみが悠久の時の中の、その一瞬間だけ垣間魅せる配合配色でございます。