第257話エピローグ「誓っている! 俺と嫁ズ、家族を必ず1億倍幸せにすると!」
最終話です。
何卒宜しくお願い致します。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
それから……時が流れた。
俺とルクレツィア様、そしてジョルジエット様、アメリー様、
シルヴェーヌさん、シャルロットさん、トリッシュさんことパトリシアさん。
麗しき6人の女子との婚約、結婚確定が創世神大聖堂で発表されてから、
既に2年の月日が経っている。
その間、俺は王立闘技場のトーナメント、ファルコ王国王家主催武術大会へも出場。
運営責任者の冒険者ギルド業務部イベント課のエリク・ベイロン課長が言う通り、
俺との対戦相手の辞退者が続出した。
それでも臆せず向かって来た何人かをあっさり倒し、
注目の決勝戦は、ともに出場したエヴラールさんを破り、
めでたく完全優勝となった。
加えて、エキシビションマッチで、
大破壊の際、生け捕りにしたオーガ100体を闘技場フィールドへ放ち、
満員の大観衆の前であっさりと倒したので、最高のパフォーマンスとなった。
俺の英雄としての箔が更に付き、王国執行官の権威はダントツに上がったのだ。
そんなこんなで、18歳になった俺は……
ロジエ女子学園を卒業し19歳になったルクレツィア様、ジョルジエット様、
そして27歳のシルヴェーヌさん、25歳のシャルロットさん、20歳のトリッシュさん、そして17歳でロジエ女子学園に在学中だが、特例で式だけ一緒にというアメリー様の6人の女子と、厳粛な結婚式を挙げ、華々しい披露宴を行ったのである。
結婚式の出席者は身内となったルクレツィア様の兄上アレクサンドル陛下、
ジョルジエット様の父上グレゴワール様は勿論、
アメリー様のご両親サニエ子爵ご夫妻、シルヴェーヌさんの兄バジルさん、
シャルロットさんの祖父でルナール商会のセドリック会頭に、
特別枠で俺を救ってくれた恩人という事で理事のオーバンさん、
そしてトリッシュさんのご両親ラクルテルご夫妻。
更には遠い血筋の王族の方々に、
バシュラール将軍、ラグランジュ財務大臣、大破壊の際救ったブルデュー辺境伯等々の王国上級貴族の方々、そして友好国の王族など……
ちなみに冒険者ギルドマスターのテオドールさん、
ギルド出身の副官のエヴラールさん、クロエさん夫妻も当然招待した。
だから、結婚式は限られた近しい人達のみ800人を招待し、
「ぎゅうぎゅう」となった創世神教会大聖堂で。
そして披露宴は、ぐっと増え招待客は10,000人以上にもなり、
広大な王立闘技場で行った。
本当に、とんでもない規模の結婚式、披露宴となったのである。
しかしこれが縁で、これまでの間柄が深まったり、新たに知り合えたり……
数多の人々と、更に心の絆を結ぶ事が出来た。
何度でも言おう。
人は石垣、人は城であると。
ベタな言い方だが、人はひとりでは生きていけない。
……だから、人とのつながりは、大事にしないといけない。
話を戻そう。
そして、アルシェ伯爵家の新居はリヴァロル公爵家邸の隣の広大な敷地を、
アレクサンドル陛下が買い取った上、グレゴワール様が建設費用を出し、
本館5階にもなる、ロイク・アルシェ伯爵邸を新築で造ってくれた。
まあ隣といっても、敷地は壁や柵などなしで、
リヴァロル公爵家邸とつながっている。
正門は別だが、今までの別棟生活と殆ど変わらない。
新居には、今までリヴァロル公爵家邸別棟で働いていた使用人も、
別棟の家令のデルフィーヌ・ブルジェさん以下はそのまま。
更に王宮で、ルクレツィア様に仕えていた侍女達も若干名加わった。
そして俺の仕事はといえば、とても順調である。
王国執行官としては、まず王国内の治安向上の命を受け、
副官のエヴラールさんと王国各地を転戦した。
皆さんはおぼえているだろう。
以前トレゾール公地の行き帰りに街道沿いに、
山賊、強盗、おいはぎ等が出没した事を。
俺はエヴラールさんを連れ帰った際、
ふたりで山賊を退治した『続き』を行ったのだ。
その戦法は極めてユニーク。
そう、帰還した時と全く一緒である。
エヴラールさんはひどく恐縮したのだが……
俊足韋駄天の俺が、剣聖のエヴラールさんを背負い、王国中を駆け回ったのである。
馬の倍早く、疲れ知らず。
小回りがきき、神出鬼没。
その上、英雄の俺と剣聖のエヴラールさんは一騎当千以上の最強コンビ。
山賊、強盗、おいはぎ等レベルで敵うはずもない。
100人など瞬殺。
数千人でも大丈夫。
ケルベロスも呼べば、1万人でも、10万人でも問題ない。
……各地で跋扈していた凶悪なやつらは、
あっという間に平らげられてしまったのである。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
王国執行官の仕事は、治安向上だけではない。
多岐にわたり、超が付く多忙の毎日。
実績に伴い、王国から貰える給金も上がり、
諸手当も入れて、今や年棒100億円に。
……そうそう、領土の割譲も無事OKが出た。
スムーズに割譲の話が進んだのは、アレクサンドル陛下、グレゴワール様の主導、
そしてバシュラール将軍、ラグランジュ財務大臣、ブルデュー辺境伯、サニエ子爵他、俺のシンパとなってくれた数多の王国貴族が後押ししてくれたお陰だ。
基本は、グレゴワール様が選んだ優秀な管理官に任せつつ、領地経営の勉強。
こちらも、人間の賊と魔物討伐の治安向上は勿論、管理官、領民達からの要望、
希望を聞き、対処可能なものは、出来る限り応じ、生産力アップ、税収アップに励んだ。
領民達は平民出身で腰の低い俺を慕ってくれる。
治安向上で平和な事もあり、生活は豊かとなった。
生活が豊かになった領民達のモチベーションはダダ上がりで、
皆やる気に満ちている。
その結果、後継者が居ない、王国の新たな領地を、
俺へどんどん任せようという話も出ている。
王族であり、アルシェ伯爵家の当主でもある俺は、
いずれグレゴワール様の跡を継ぎ、
王国ナンバーワン貴族リヴァロル公爵家当主として、グレゴワール様よりも、
広大な領地を所有する事となるだろう。
ちなみに、俺の直轄領となったトレゾール公地への遠征も欠かさない。
鑑定額の50%にアップした金、宝石等の報奨金と、
ドラゴンなど魔物の売却益は、アルシェ伯爵家の貴重な現金収入となっているから。
トレゾール公地が俺の領地となった事で、
冒険者ギルドの実入りが減ってしまったが……
ルナール商会とともに、討伐したドラゴンの処理、売却を委託したので、
逆に大喜びされた。
そのルナール商会は、秘書の仕事をしつつ、
シャルロットさんがオーバンさんと同じ理事職となり、らつ腕を振るっている。
最高顧問の俺も、王国内各地の支店、営業所の懸念を解消する手伝いをし、
前世の営業経験、中二病知識を基に、新たな企画を提案。
俺の名前もあり、売り上げが更に増大、右肩上がり。
新規開拓も順調で、クライアントが増え、セドリック会頭も大喜びである。
いずれシャルロットさんが、セドリック会頭の跡を継ぐだろう。
他国との取引きケアも、上手くやれればと考えてもいる。
また、冒険者ギルドとの関係も深くなった。
ルナール商会同様、最高顧問たる俺の影響で、ギルドの冒険者登録が著しく増え、
依頼も殺到したのである。
当然、ギルドの売り上げはこちらも右肩上がり。
ギルドマスターのテオドールさんは大喜びし、
優秀なサブマスターをふたり部下につけてくれた。
この新たな部下の管理監督は、
俺の副官たるエヴラールさんと、その秘書クロエさんの役目だ。
サブマスターを辞したエヴラールさんだが、
将来、ギルドマスターになるかもしれない。
そんなこんなで、今や俺の総収入は、年間5,000億円を楽に超えている。
アルシェ伯爵家の領地はどんどん発展しているから、
総収入はガンガン桁外れに上がるだろう。
次に嫁ズの近況。
シャルロットさんの状況は先述したが、彼女以外はといえば、
ルクレツィア様、ジョルジエット様は、本人達の希望もあり、
先輩女子に交じって俺の秘書となるべく、見習いとして猛修行中。
シルヴェーヌさんを中心に、3人の先輩から手取り足取りの綿密な指導を受け、
大いに奮闘中である。
直系の王女に、王国貴族ナンバーワンの公爵家令嬢……
ふたりとも究極の箱入りお嬢様なので、上手く行かない事も多々ある。
だが、やる気は勿論、学業成績優秀なふたりのメンタルの強さは半端ではなく、
器用さ、順応性もあるから、1人前になるのも、そう遠い日ではない。
アメリー様は、ロジエ女子学園中等部を卒業。進学して高等部に在学中。
卒業後は、やはり俺の秘書になると言い張り、猛勉強中。
ルクレツィア様、ジョルジエット様同様、
アメリー様の学業成績はロジエ女子学園で常にトップ5へ入る優秀さ。
これまた『姉』ふたりと同じく、器用さ、順応性もあるから、
将来はとても有望だろう。
そして「お姉様達には絶対に負けません!」がアメリー様の口癖。
他の嫁ズ全員から『末妹』扱いされ、
変なプレッシャーがかかるのではと心配したが、
この強靭メンタルなら何とか大丈夫そう。
でもやはり、心配だから、俺の『密かな末っ子フォロー』は継続していくつもりだ。
そのアメリー様の実家のサニエ子爵家はといえば、俺が割譲して貰い、
豊かになった領地を数か所譲り、サニエ子爵ご夫妻は大喜び。
更にサニエ子爵へは、しかるべき上級役職もグレゴワール様が用意。
俺は、ご夫妻との約束を無事果たす事が出来た。
但し、身内のえこひいきだと思われるのはまずい。
なので、サニエ子爵ご夫妻へは、
拡大した領地と昇格した役職に相応しい働きが求められると、
言葉を選び、真剣に丁寧に内々で伝え、ご理解をして頂いている。
トリッシュさんこと、パトリシアさんは、
俺の秘書を務めながら、
現況はといえば、俺から改修資金を援助し、まずは
『英雄の店――
俺の好物メニューをラインナップに加えた料理の美味しさ、店の雰囲気が良いと、
家族は勿論、数多の人々が各所で大いに宣伝したせいで、
『
慎重に状況を確認しながら、スタッフを大幅に増やし、
ゆくゆくは王都内に二号店、三号店をオープン、
そして状況次第だが、国内国外へ、それ以上の展開をする予定だ。
またルナール商会も経営面、食品資材等の仕入れで、
『
トリッシュさんが経営者として一人前になり、
頃合いを見て冒険者ギルドを退職したら……
ご両親ラクルテルご夫妻の跡を継ぎ、
『新邂逅亭』チェーンのオーナーとなるだろう。
そして筆頭秘書の大人の魅力あふれるクールビューティーなシルヴェーヌさん、
秘書業務は勿論、その他も博識で、
王宮の事情、貴族社会のしきたり、に通じ、武技、乗馬の達人。
文武両道を地で行く切れ者の彼女は女子達……
嫁ズのまとめ役として、
しっかりとアルシェ伯爵家を支えている。
またシルヴェーヌさんが指導する毎朝の護身術訓練は、
ルクレツィア様を加え、現在も継続中。
この訓練が嫁ズの連帯感、固い結束の基となっている。
やがてアメリー様が卒業後に加わり、『完全体』となった嫁ズは、
全員が俺の秘書兼務の優秀な戦力となり、愛と生きがいの追い風を受け、
一層、バリバリと仕事をする事だろう。
ちなみに嫁ズ達が兼務するであろう仕事内容は千差万別。
領地経営、王国執行官補佐、商会経営、冒険者ギルド、飲食業等々、
自身が望む適材適所で実力を存分に発揮して貰う事となる。
いずれは、王国の政治にもかかわるに違いない。
そう!
俺の嫁ズは皆、大きな夢と希望を持ち、ばりばり頑張っている!
いずれ子供も生まれるだろう。
うん!
油断は禁物だけど、全てが上手く行っている!
前世のダークサイド企業勤務も含め、
これまで、一生懸命に頑張って来た事が報われた気がする。
このように……
モブのロイク・アルシェとして、ステディ・リインカネーションの世界へ転生した、
俺ケン・アキヤマは……素晴らしい嫁ズと巡り合い、やりがいのある仕事に就き、
数多の人々に感謝される『充実した人生』を歩んでいる。
これも、アラン・モーリアでプレイしたステディ・リインカネーションのお陰。
アラン・モーリアの初期設定の能力が、転生してモブな俺を、
強力に後押ししてくれた。
ケルベロスの告げた『大いなる意思』という存在が、
俺をこの世界に連れて来て、凄く幸せにしてくれた。
神様なのか、どんな方かは分からないが、とても感謝している。
立てた目標の、『前世よりも1億倍の幸せ』には、まだまだかもしれない。
でも、俺はやる気満々! より一層、頑張って行こうと思う。
誓っている! 俺と嫁ズ、家族を必ず1億倍幸せにすると!
ここでひとつ約束しよう。
もしも皆さんが、このステディ・リインカネーションの世界へ転生したら、
しっかりとフォローさせて貰います。
では、また!《完結》
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
『異世界ゲームへモブ転生! 俺の中身が、育てあげた主人公の初期設定だった件!』は今回の話で完結です。
長い間のご愛読と応援、本当にありがとうございました。
東導 号の他作品も、ご愛読と応援を何卒宜しくお願い致します。
異世界ゲームへモブ転生! 俺の中身が、育てあげた主人公の初期設定だった件! 東導 号 @todogo
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます