甘みと苦みの落差を楽しむ、テクニカルなミステリー

※このレビューはネタバレを含みます※
商品解説にしたがって、チョコレートからウィスキーの順に味わいました。
そうして味の落差を感じた後には、チョコレートで確かに感じたはずの甘さを、確かめに戻らずにはいられませんでした。
(以下、重大なネタバレ)

昔の会話履歴を遡って眺めている
 ――彼とだれの会話履歴? ……私ではなく彼女
「今日予定ある?」に返信してしまえば計画が水の泡だ
 ――だれがだれのメッセージに返信する? ……私が彼に、ではなく彼が彼女に
そういう関係になって一年
 ――そういう関係って? ……恋人ではなく覗き魔

そして、
私は何度も顔が赤くなる――それはどんな感情によるものだったのか?
……恋する乙女の気恥ずかしさではなく、毒リンゴを持つ魔女の怒りだったなんて。

こういう真相で合っていますよね?
ウィスキー読了後には思わず、そう尋ねたくなる衝撃作でした。

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